1枚の写真から街を再発見!兵動大樹の今昔さんぽ。

今回訪れた兵庫県三田市は、1980年代から始まったニュータウン開発で、かつて“人口増加率日本一”を誇った街です。

そんな三田で1976年(昭和51年)に撮影された、銀色の橋。

この写真について聞き込みをすると、後ろに写る山を指して「有馬富士」だという人が何人かいましたが、橋のことを知っている人には出会えませんでした。

■著名な建築家・丹下健三氏設計「深田大橋」

かすかな情報を頼りに、フラワータウン駅近くの「人と自然の博物館」に行くと、建築に詳しい福本優研究員が「ここです(写真の橋はいま博物館です)」と教えてくれました。

写真に写る「深田大橋」は、ニュータウンのシンボルとして、建築家・丹下健三氏によって設計・建築された歩道橋でした。

丹下健三氏は建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を日本人で初めて受賞した人で、東京都庁の設計や70年大阪万博の総合設計もした著名な建築家です。

■利用されていなかった橋→博覧会のホール→博物館に転用

1981年からフラワータウンの一部入居が始まったものの、オイルショックなどの影響で開発が進まず、深田大橋は利用されない状況が続きました。

そんな時に、「北摂・丹波の祭典 ホロンピア’88」という博覧会の多目的ホールとして深田大橋を再生させる案が浮上しました。
さらにその後1992年に、「人と自然の博物館」に転用されました。今も博物館の柱に、深田大橋の橋脚の名残を見ることができます。

フラワータウン駅から大きな谷を越え、住宅地へ行き来するために橋は必要不可欠でした。博物館の中に隠れた状態となった現在ですが、橋の上の部分は歩道橋として地元の人が大切に使い続けています。

【兵動大樹さん】「有名な丹下さんが設計した橋。博物館の中に埋まっているという。この建物を見に来るだけで価値があると思います。博物館の中も当然見る価値がある。三田の奥深さを知りました」

▼兵動さんの今と昔を探る旅の全ては、動画でじっくりお楽しみください。
https://youtu.be/skqPAT32fJc

(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」 2025年3月28日 金曜日放送)

関西テレビ
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