4日午後2時半ごろ、フジテレビの元専務で関西テレビの大多亮社長が取材に応じました。
その冒頭、「第三者委の報告書で、当時の私の対応に厳しい指摘を受けました。その指摘を真摯に受け止め、私としてはこれ以上関西テレビの社長の職を続けることは不適切と考え、本日付で辞任した、という次第です」と、関西テレビの社長を辞任すると発表した大多氏。
続けて被害者に謝罪しました。
フジテレビ元専務・大多亮関西テレビ社長：
私がまず何よりも謝りたいのは女性Aさんに対してです。Aさんの心情に寄り添うことができず、彼女を苦しめてしまったことは本当におわびしたいと思う。
“性暴力”と認定された元タレントの中居正広氏と、元フジテレビのアナウンサーだった女性のトラブル。
フジテレビの専務だった大多氏はトラブルについて報告を受けていました。
しかし、当時の港浩一社長と編成制作局長の3人でプライベートな男女間のトラブルと認識。
第三者委員会の調査報告書に名前が出てきた中で、初めて公の場で説明することになった大多氏。
フジテレビ元専務・大多亮関西テレビ社長：
今回の問題の対応にあたっては、中居氏や番組を守ろうという意識はまったくありませんでした。当初、私に入った情報からプライベートな問題と考えてしまい、その後、とにかく彼女に取り返しのつかないことが起きてはいけない、万が一の事が起きてはいけないという思いで対応してきた。そのためには事実を知る者を最小限にするのがよいという港社長の判断や医師の指導を踏まえ、彼女がいち早く回復し、誰にも知られずに仕事に復帰するという望みをかなえることばかり考えてきた。彼女のためを思って対応してきたつもりだったが、それは彼女の意思を無視し、彼女に責任を転嫁する行為だったという、第三者委の報告書の指摘を大変重く受け止めている。その時々の彼女の病状や気持ちをくみ取る努力をすれば、彼女にもっと寄り添った対応ができたのではないのか、深く反省している。
反省の言葉を口にしたあと、すぐに手元の資料に目をやりこう続けました。
フジテレビ元専務・大多亮関西テレビ社長：
このたびの中居氏に関する問題について、視聴者の皆さま、ステークホルダーの皆さま、関係者の皆さま、さらに社員の皆さまに大変ご迷惑をおかけしたこと、心からおわびいたします。私からは以上です。
約5秒、頭を下げた大多氏。
記者から3人で意思決定したことについて今ではどう思うか、問われると…。
フジテレビ元専務・大多亮関西テレビ社長：
大事なところは、彼女の心情の変化にアプローチできなかった。極端な話、これほどクローズした中でやったので、今思えば港社長や私が本人に聞きに行ってもいいぐらいのことではないかと思っている。
－－コンプライアンス推進室や専門家への情報共有思いつかなかった？
フジテレビ元専務・大多亮関西テレビ社長：
思考停止という書かれ方もあったが、まず彼女を守らなきゃということが強すぎて、先生はなんて言ってる、どう伝えるか、そっちばかり気がいっていた。
－－意志決定する中でフジテレビの風土が影響した？
フジテレビ元専務・大多亮関西テレビ社長：
彼女にとって何が一番いい判断なのかということばかりを考えていたので、企業風土が影響しているというのは自分の中にはなかった。ただ指摘されると、クローズされたところで決めているではないかというと、そのように見えても仕方ないかなと思う。
－－第三者委員会の報告では「二次加害」女性を守ることと真逆のことになった
フジテレビ元専務・大多亮関西テレビ社長：
あの（報告書の）中でいろんな重要なことが書かれているが、私にとってはすごく大きかった。自分の判断が、これがいい、これ以外に当時どうとれたかと思っていたので、1回目の会見はああいうふうに答えたが、第三者委員会の（報告書で）“それは責任転嫁、彼女を傷つけることになる”。これは大きかった。ある種百八十度寄り添えてなかったと、あの指摘はすごく思った。
－－当時、女性の入院先に見舞いは？
フジテレビ元専務・大多亮関西テレビ社長：
とにかく非常にああいった形での入院で、面会できない時期もあった。もっと言えば彼女が私や港（前社長）が（内容を）知っているということすらもわからない。現場はそこまで言っていないので、彼女に。なのでこれ以上知られたくないと言っている以上、私が行く港（前社長）が行くという発想になかった。
－－人として見舞いに行かなかったのか？
フジテレビ元専務・大多亮関西テレビ社長：
ものすごいセンシティブな状況で、いつどうなるかわからない緊迫した状況なので、少しでも良くなってる、会っても大丈夫となったら考えたが、当時はその発想になかった。
－－加害者の中居氏に対して怒りは?
フジテレビ元専務・大多亮関西テレビ社長：
1回目の会見で聞かれて、怒りを感じますかと聞かれて「そうとって結構です」と答えたが、今となっては適切かどうか分からないが、コメントもないです。
大多氏は4日付で社長を辞任。
6月の株主総会までは、関西テレビの福井澄郎会長が社長を兼任するということです。
