子宮頸がんを予防するHPVワクチン。

その無料接種の呼びかけが中止されたことでワクチンを受けていない「空白の世代」がある。

■【動画で見る】子宮頸がん予防のHPVワクチン接種「空白の世代」 無料接種の期限が2025年3月末に迫る

国は、無料でワクチン接種を受けられる「キャッチアップ接種」を呼びかけているが、その期限が今月末に迫っている。

9月20日、滋賀県の学校で開かれたある講座。

「HPVワクチンで予防できるがんはたくさんあるんですけど、自分の健康を守る選択肢として知ってもらって考えてもらう」

教壇に立つのは、医学部の大学生たちです。

■日本では年間約3000人が命を落としている

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(子宮頸がんについて)日本では毎年1万人以上の女性が子宮頸がんと診断され、年間およそ3000人が命を落としている。

子宮頸がんの予防に有効とされる「HPVワクチン」の正しい知識を広める活動をしている団体「Vcan(ブイキャン)」。

いま、特に情報発信に力を入れているのには、理由がある。

Vcan大坪琉奈代表:キャッチアップ接種というのが今年度で終わっちゃうんですね。

国が無料で実施する「キャッチアップ接種」の期限が迫っているのだ。

■「キャッチアップ接種」は、来年の3月末まで

国は、2013年からHPVワクチンの公費による定期接種を始めたが、接種後に体の痛みなどを訴える人が相次ぎ、ワクチン接種の積極的な呼びかけを中止した。

その後、ワクチンの安全性については、「重大な懸念は認められない」と、おととし、接種の推奨を再開。

しかし、この間に接種の機会を逃した世代を含む、2000年以降に生まれた女性は、接種率が低くなっている。

国は、誕生日が1997年4月2日から2008年4月1日までの女性に対し、無料でワクチンを受けられる「キャッチアップ接種」を特例で実施している。

Vcan大坪琉奈代表:知らなかったから接種することができなかったのは、自分で決めて接種しないのとは大きく意味が違うと思っていて、少しでも多くの人が後悔しない判断をできる世の中にしたいなと活動しています。

ただし、「キャッチアップ接種」は、来年の3月末まで。

■今月に入り、駆け込みで接種を受ける人が増えている

あやこローズクリニック宮崎綾子院長:薬入ります。手の先しびれてないですか?

兵庫県芦屋市にあるクリニックでは、今月に入り、駆け込みで接種を受ける人が増えている。

ワクチンは、半年の間に3回接種する必要があるため、1度目の接種を今月末までに終えておかなければ、すべてを無料で受けることができないのだ。

キャッチアップ接種した人(19):自分に関係ないって思ってたことだったんですけど、実際やってみたら、受けたってことが事実になるので、安心材料になるのかな。

あやこローズクリニック宮崎綾子院長:ワクチンを接種すると予防効果が高いのは頭ではわかってらっしゃると思うんですけど、ワクチンの副反応とか、正しい情報を知っていただいた上で、打つ打たないというのをよく考えていただけたるといいのかなと。

■子宮頸がんは検診だけ、ワクチンだけで全て防げるものでもない

関西テレビ・加藤さゆり報道デスク:副反応に対してのイメージは、特に親御さんに良くないイメージを持っている方が多いと言われています。ただ、その副反応について、大阪大学の上田豊講師に伺ったんですけれども、もちろん接種した時に痛みなどの副反応はもちろんあります。ただ、 重篤な副反応はほとんど起こらないということで、ワクチン接種との因果関係の証明もないということなんですね。 一方で、国も接種を推奨再開したことで、相談窓口や、医療機関と協力するという体制も強化していますので、そういったところを安心材料にして受けていただきたいと思います。もし、打たないという選択を取ったとしても、一番大事なのは 検診です。 検診だけで、ワクチンだけで全て防げるものでもないです。ワクチンというのは性交渉を経験する前に打つことが大事と言われているので、定期接種は小学校6年生から高校1年生までが対象ですので、忘れないように考えていただきたいなと思います。

 (関西テレビ「newsランナー」 2024年9月23日放送)

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