福井市内の小学校の給食の献立を見てみると、3月と4月の主食はごはん、ちらし寿司、カレー、焼き肉丼、ソースカツ丼…とバラエティに富んでいます。ただ、4月と3月で大きな違いがあるのが金曜日のパンです。3月は毎週金曜日にパンが提供されていましたが、新年度の4月からパンがなくなりました。どんな事情があるのか取材しました。
        
4月19日金曜日、福井市内の小学校を、給食の時間に訪ねてみると普段と変わらない給食のように見えました。しかし、給食委員の2人に話を聞くと「週に一回パンが出ていたけど出なくなった」「パンがなくなったのはさみしい」と話します。
  
福井市内の小学校では2009年から、週に1度パンが提供されていましたが、2024年度からごはんに変わりました。児童からは「たまにきなこ揚げパンが出ていたのですが、貴重な楽しみがなくなってさみしい」「パン給食がなくなってさみしい。復活してほしい」「ごはんもおいしいけどたまにはパンも食べたい」という声が上がっていました。
 
福井市では、半世紀以上前から給食でパンが提供されていますが、定期的な提供がなくなったのは今回が初めてです。なぜ、なくなることになったのでしょうか?
 
福井市教育委員会・早川寿恵さん:
「昨年の8月から県学校給食会を通じてパンの製造業者が一部撤退すると聞いて、このような現状となった」
 
福井市内の給食で提供されるパンは、原材料をまとめて購入する県学校給食会を通して、業者にパンの製造が委託されています。
 
福井市教育委員会・早川寿恵さん:
「市でも、不足する分は冷凍パンで補えないか、他の業者に当たるなど検討したが、なかなか難しい。今のところ具体的な再開のめどは立っていない」
 
一方で、3月まで福井市の学校給食用にパンを納品していた業者を取材すると「業者が減ったとしてもパンを提供するスタンスだった。パンの提供自体をなくす判断をしたのは、福井市側だった」と話します。とはいえ、県学校給食会が購入した原材料でパンを作っても、業者側の利益は、パン1個で約30円から40円。配送する費用も含めると、ほとんど利益は残らないと話します。

福井市では「少しでも、パンの提供に向けて学校給食会とも話し合いは続けていきたい」としています。

福井テレビ
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