「日本橋高島屋」で純金製茶わんが盗まれた事件で逮捕された32歳男が、「盗んだ茶わんでお茶を飲もうと思ったが、換金したほうがいいと思った」供述していることがわかった。
「Mr.サンデー」は逮捕された32歳男の父親を独自に取材。「幼少期から息子に金銭面で苦労をかけた」という父親は、「魔が差したのかな…」と息子の罪を受け入れている様子も見せた。

13日午前、捜査員が木場駅周辺で容疑者を発見

4月11日、東京・中央区の日本橋高島屋で開催されている「大黄金展」で、販売価格約1040万円の純金製茶わんが盗まれた事件。

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2日後の13日、東京・江東区に住む職業不詳の堀江大容疑者(32)が窃盗の疑いで逮捕された。

当時、会場内に並んでいたのは、金の工芸品1000点以上、関係者によると総額約100億円の品々だという。金の茶わんは棚の上に、プラスチック製のケースを被せた状態で置かれ、鍵はかかっていなかったという。

会場には、少なくとも6台の防犯カメラが設置され、20人以上の店員や警備員がいたというのだが、堀江容疑者は、大胆にも持っていたリュックに純金の茶碗を入れると、そのまま持ち去ったという。

高島屋を出た後、日本橋駅に向かい地下鉄に乗ったという堀江容疑者。捜査員は防犯カメラ映像から、木場駅で降りる姿を確認。そして13日午前、捜査員が、木場駅周辺で堀江容疑者を発見した。

決め手となったのは、使っていた交通系ICカードから犯行当日の逃走経路と同じ使用履歴が出てきたことだった。

発生からわずか2日。スピード逮捕の理由ついて、犯罪捜査に詳しい元埼玉県警の佐々木成三氏は、「ICカードはどこでどのように犯行前もどういうふうに使われていたのか。その後 その使用している者の行動範囲が分かりますので、木場駅で張り込みをして容疑者発見という流れになった可能性は高いなと思います」と指摘する。

一方、逮捕当時、純金の茶わんを所持していなかったという堀江容疑者。

その行方について、「盗んだ茶わんでお茶を飲もうと思ったが換金したほうがいいと思った」「江東区内の買い取り店で180万円で売却した」と供述している。

犯行当日、都内の買い取り店で180万円で売却したというが、逮捕時の所持金は約130万円。差額の50万円、茶わんの行方について警察が調べを続けている。

自らを「イケメン」名乗る動画をYouTubeに

自らをイケメンと名乗る動画を配信するYouTubeチャンネルを開設していた堀江容疑者は、3年ほど前に北海道から上京したという。

北海道の書店でアルバイトをしていた時の上司は、「第一印象は真面目な印象でした。時々ちょっと思い詰めたりしてないかと思うような部分もあったり…」と容疑者について振り返る。

最後にやりとりをしたのは2023年10月で、「当時バイトだった堀江です。覚えてますか?」と突然、SNSで連絡が来たという。その時の心境について当時の上司は、「僕は当時そんなに仲良くしていたとかという感じではないので、正直意外だった」という。さらに、堀江容疑者からは「いろいろあって大変です」という話の中で、「旭川に戻りたいです」と伝えてきたという。

容疑者の父親「魔が差したのかな…」

堀江容疑者の父親を「Mr.サンデー」は独自取材した。

13日に息子の逮捕を知ったという父親は、逮捕前の様子をこう振り返る。
「(純金の茶わんが盗まれたニュースを)テレビやってて『盗まれたんだ』と息子に話しかけたんですよ」
「『盗られたんだぞ、今日』って言って。私がわっと思ったんですよ。息子は何も…ただ無口で」

――何も反応しなかった?
「そうですね。静かだったから、いつも通り。魔が差したのかな…ちっちゃい時から結構、お金の面で苦労かけたから…。素直な子です。本当に素直な子です」

息子の素顔を語った父親は、息子の仕事についてこう説明する。
「仕事の都合で横浜行った。警備の仕事。それも辞めて、体調を崩してるから、今、(仕事)やってないんですよ。息子」

「借金はあったと思います。自己破産の手続きをしなきゃいけないとは言ってたんですけど」

「そんな子ではないと言っても、やったことは間違いないんだろうと思うけど…もうそれは、どうしようもないですね。やったとしたら、罪、自分で償うしかないです」

上京後、約2年前から無職で借金もあったという堀江容疑者。“純金茶わん窃盗”は思い詰めた末の犯行だったのだろうか。
(「Mr.サンデー」 4月14日放送より)

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