秋田県キッチンカー協会は3月、能登半島地震で大きな被害が出ている石川に出向き、きりたんぽ鍋を提供した。被災地で炊き出しにあたった経験は、いざという時に何ができるかを考えるきっかけになったようだ。

 キッチンカーで県内各地を回る「Cheke Rice(チェケライス)」の看板メニューは「秋田ガパオライス」。北秋田市でとれた卵とバジルに合わせるのは、男鹿市で作られた「しょっつる」。秋田がたっぷり詰まった料理を提供している。

 秋田市に店を出していた3月27日、看板メニューを購入した親子は「秋田市内に来たら買いにきている。めちゃくちゃおいしいので家族でいつも食べている。肉の味が染み込んでいるところがおいしい」と話した。

 Cheke Riceの代表・菊地貴郁さんは、県キッチンカー協会に所属している。

 協会は3月13日と14日、能登半島地震で甚大な被害が出ている石川・珠洲市と輪島市を訪れ、きりたんぽ鍋720食を提供した。

 Cheke Rice・菊地貴郁さん:
「キッチンカーはその場で出来たての温かいものを提供できるのが一番のメリットだと思う。現地に行っても、当日は寒かったので被災者に喜ばれた」

 一人一人と会話をしながら炊き出しにあたった菊地さん。「被災者から逆に勇気をもらった」と振り返る。

 Cheke Rice・菊地貴郁さん:
「『温かいものが食べられてうれしい』という声や、当日は寒かったので被災者に『寒くないですか』と気遣いの言葉を掛けてもらって、こちらの方が温かくなった」

 石川での炊き出しを終えた3月18日、協会は秋田市と協定を結んだ。災害が発生した際にキッチンカーが被災地に出向き、炊き出しにあたる。

 Cheke Rice・菊地貴郁さん:
「災害が起きたときにすぐに被災地に駆け付けられるように、会員も増えているのでみんなで協力して、何かあったときに対応できるように前向きに考えていきたい」

 菊地さんたち協会の会員は、「いざという時に何ができるか」を考えながら日々の営業にあたっている。

秋田テレビ
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