来週から4月、新年度がスタートする。新たな場所で生活を始めるという方も多いのではないだろうか。春は出会いと別れの季節。駅のホームでは様々な想いが交錯する。

福島県いわき市のJRいわき駅。
毎日約4600人が乗車する浜通り最大の駅は、様々な事情を抱えた人が行き交う。
目前に迫った新年度。就職、進学、転勤・・・。それぞれ新たな生活が始まる。

前原悠汰さんは転勤でいわき市を離れる。
「愛知県の岡崎市って所で。いわき4年お世話になったので、なんだか半分寂しいような、あと半分愛知県の新生活が楽しみなような。子どももいわきで生まれたので、だいぶ縁のある地にはなったかなと」と話す。
妻のリナさんは「初めての所なので緊張もしていますし、子供も小さいので、新しい地でママ友とかができたらいいなというのが一番大きい目標じゃないですけど」という。手を振る前原さん家族。改札を通りいわきを後にした。

電車が到着する。
「ご乗車ありがとうございました。いわき、いわきです」

常磐線と磐越東線が乗り入れるいわき駅のホーム。
大橋麻尋さん(20)は「将来の夢は、とりあえず国家公務員になりたいなと思っています」と話す。大橋さんは夢に向けてさらにもう一歩、踏み出す。「法学を学んでいて、短期大学で学んだことをもっと4年制大学で深く学びたいと思って(編入した)。後悔の無いように生活したいですね。楽しくいけたらと思っております」と希望に満ち溢れる。

待合室で談笑する人たち。
キャリーケースを運ぶ親子。

「就職なので入寮で、今日ひたちに乗って埼玉に向かいます」
この春大学を卒業した松崎太郎さん(22)「ギリギリお見送りに来るっていうのがちょっと今まであんまりなかったので、ちょっと寂しい気持ちはあるんですけど、今までの感謝の気持ちでいっぱいです」と話す。
母親の愛さんは「やっぱりちょっと節目ですし、なかなかこういうことに立ち会うっていうことが無いかなと思いまして、後ろ姿を見届けようと思いました。(大学進学で)その時に離れるのが一番寂しかったので、今回は笑って見送れるかなと思います」と話す。

いくつになっても子どもは子ども。列車が発車するその時まで…大切な親子の時間だ。ホームに立つ両親。窓越しに向けたスマートホン。

母・愛さんは「諦めないで何事にも、突っ走ってもらいたいです。若さで突っ走ってもらえたらなと思います」と思いを馳せた。息子を見送る松崎さん夫婦。
父親の康雄さんは「寂しいよねやっぱり、子どもは」とつぶやく。愛さんが「寂しい?泣いてるの?」と笑う。「まあね、また休みで戻ってくるし、それを楽しみにしてます」と言い聞かせた。

「1番線の特急列車、品川行きが発車いたします。ドアが閉まります。ご注意ください」
電車に手を振る子どもたち。
それぞれにとっての新しい春が始まる。

福島テレビ
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