アルピコ交通の高速バス「長野・松本線」が3月29日で運行を終えます。利用者の減少や運転手不足に加え、4月から労働時間の規制などが強化されるいわゆる「2024年問題」も見据えてのことです。

長野道の松本インターチェンジに近いバス停にできた長い列。29日の運行を最後に廃止されるアルピコ交通「長野・松本線」の利用者です。

利用者:
「残念ですけど、運転士さんが少ないってことなので、仕方がないかな。(今後はどうしますか?)電車で通います」
「(自宅が)松本合同庁舎の近くなんですけど、駅まで自転車で行かなければいけない。通うのが大変になるので不便を感じてます」

1993年に運行を始めた「長野ー松本線」は、県職員などを主な利用者に多い時は現在の倍の1日20往復走っていました。

しかし、新型コロナの影響やJRとの競合などで利用者は2013年度の16万人余りから2022年度は6万人余りに。

一方、高齢化と成り手不足で社内のバス運転手はこの3年で90人減りました。

いわゆる「2024年問題」で労働時間や休息時間の規制が4月から強化されるのを受け、アルピコ交通は路線の廃止を決めました。

アルピコ交通・藤本忠和 松本営業所長:
「(2024年問題で)インターバル(休息)時間を確保しないといけないとなると、より一層、乗務員数が必要になるので、乗務員数がこれ以上増えない中では不採算の部門の路線を減便ないし、廃止せざるを得ない」

今後は人気の高い上高地や白馬村方面などの路線に力を入れるということです。

県内では他にも運転手不足と「2024年問題」を背景にした路線の見直しが相次いでいます。

4月からは長野市内の循環バス「ぐるりん号」と上田市内を走る3つの会社の路線バスの大幅減便が決まっていて、地域の足は岐路に立たされています。

長野放送
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