処理水の海洋放出に伴う損害に対して、東京電力が支払った賠償額は前の月から18億円増えて61億円に上っている。

福島第一原発で2023年8月に開始された処理水の海洋放出を巡って、東京電力に寄せられた賠償請求に関する問い合わせは約2400件に上っている。
このうち請求が出されたのは約340件で、東京電力は3月24日までに約50件、合わせて61億円の賠償金を支払ったということだ。
これは前の月から18億円増加していて、中国などの輸入停止措置に伴ってホタテやナマコの取り引きが中止されたことによる損害が多くを占めている。

東京電力福島復興本社・高原一嘉代表は「ご請求書の発送、ご請求の受付、賠償のお支払い、加速を何とかやってきた1年だったと思います」と話す。
1年前に受付を始めた追加の賠償については、対象となる148万人のうち78%にあたる116万人への支払いが完了。ただ、死亡した人や何度か引っ越した人など約16万人には、請求に必要な書類を送付できていないということだ。

東京電力は、専用ダイヤルに連絡するよう呼びかけていて、自治体の広報誌に情報を載せることや対象者に直接働きかけることができないか、福島県や自治体と調整したいとしている。
専用ダイヤル:0120-926-470

福島テレビ
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