参議院予算委員会は28日、来年度予算案の採決を行い、与党の賛成多数で可決した。夕方開かれる参議院本会議に緊急上程し、可決・成立する見通し。
来年度予算案は、一般会計の歳出総額が約112兆円で、23年度当初の114兆円に次いで過去2番目の大きさ。防衛費に7兆9496億円、社会保障費に37兆7193億円を計上し、いずれも過去最大となり。能登半島地震の復興予算も盛り込まれている。
予算委員会に先立って行われた予算委理事懇談会では、岸田首相らが政治資金問題について安倍派幹部への追加聴取を行った理由に関し、自民党が野党側に「2022年3月に安倍派の幹部会合が行われたことが浮上したためだ」などと説明したが、野党側は世耕前参院幹事長が政倫審でこの会合を否定していたことなどを理由に反発し、開会が大幅に遅れた。
質疑の中では立憲民主党の辻元代表代行が、岸田首相らが行った安倍派幹部のへの追加聴取で一部の幹部がキックバック復活に森元首相が関与したと証言したとする一部報道について岸田首相を追及した。
岸田首相は、聴取の内容については明らかにできないとした上で、森氏への聴取については「森元総理も関係者の一人であるから、その政治責任を明らかにするために必要な方ということで含まれうるものではあるが、まだ必要な方が誰なのか調整中だ」と述べるにとどめた。