北朝鮮のIT技術者が身分を偽り、日本人と装って日本企業から仕事を請け負い、稼いだ外貨がミサイルなどの資金源に利用されている疑いがあり、警察庁などが初めて注意を呼びかけた。
警察庁などの注意喚起によると、北朝鮮のIT技術者がおもに中国など外国にいながら日本人になりすまして日本企業からソフトウエアやアプリの制作などの業務を受注して報酬を得ている疑いがある。
日本ではこうした北朝鮮のIT技術者が関与しているとみられる事件がこれまでに3件摘発された。
北朝鮮のIT技術者の多くは、身分証を偽造するなどして日本人になりすましていて、ソフトウエアやアプリの制作などを通常より安い価格で請け負うという。
また、仕事を請け負うためのアカウントの名義と報酬受け取り口座の名義が一致しなかったり、同じ身分証で複数のアカウントを作成しているなどの特徴がある。
さらに、仕事を発注する際には、日本語が堪能ではなかったり、カメラを使ったオンライン会議など対面する場を避ける傾向があるという。
国連安全保障理事会への報告書によると北朝鮮のIT技術者は数千人規模とみられ、アメリカと韓国もすでに活動方法や対策をまとめたガイドラインを公表している。
警察庁などは、きょう企業に向けた説明会を開き、注意を呼びかけている。