岩手県盛岡市玉山地区にある温泉施設「ユートランド姫神」には、地元の食材を生かした加工食品を作っている工房がある。
地域の活性化を目指す取り組みを取材した。
温泉施設「ユートランド姫神」は美肌の湯として知られ、温泉のほか産直コーナーや宿泊施設もあり、旅行や合宿などにも利用できる多目的施設である。
ユートランド姫神に2021年にオープンした「温泉ジェラート」。
運営しているのは「たまやま温泉Lab」の一ノ渡渉さんだ。
石橋美希アナウンサー
「温泉ジェラート『もりおかみるく』は、びっくりするくらいなめらかです。ミルクのおいしさがギュッと詰まってます。湯上り後にぴったりの爽やかな甘さですね」
たまやま温泉Lab 一ノ渡渉さん
「ここでしか食べられない味です」
Q:デザートを作る上で一番大切にしていることは?
たまやま温泉Lab 一ノ渡渉さん
「盛岡産の生乳を使っていて、他にはない味を出したい。当店では作りおきのジェラートは一切ありません」
玉山地区で生まれ育った一ノ渡さんは、地元の食材を使って地域を活性化できないか考えていた。そこで着目したのが牛から搾ったままの生乳だ。
フレーバーの材料・イチゴなども地元産を基本としている。
たまやま温泉Lab 一ノ渡渉さん
「工場が併設されているので、その日その日のオリジナルフレーバーも出ます。他にはなかなかないような地産地消のジェラートになっています」
盛岡産生乳はジェラートのほか、チーズにも使っている。モッツアレラをはじめ、フロマージュ・ブラン、手軽に食べられる「さけるチーズ」などをつくっている。
たまやま温泉Lab 一ノ渡渉さん
「盛岡産の生乳で商品を作っているのは当店しかありません。チーズにしかり、ジェラートにしかり、ここの施設は産直コーナーも併設されているので、出来た製品はすぐに陳列している。盛岡産の生乳をどんどん食べてもらいたい」
Q:チーズを作る時に出たあるもので新商品を作ったと聞いたのですが、何でしょうか?
たまやま温泉Lab 一ノ渡渉さん
「ホエイを使ったリキュールですね」
ホエイとはチーズをつくる過程ででる水分で「乳清」とも呼ばれている。
タンパク質が豊富で健康食品や家畜の餌などに使われているが、その多くは産業廃棄物となっている。
たまやま温泉Lab 一ノ渡渉さん
「(ホエイは)捨てられるところが多いんですよ。もったいないので、商品化できないかなということで製造に入りました」
ホエイと盛岡産の夏いちごとアロニアを使った、もりおかホエイリキュール「うるおいイチゴ」の味は…。
石橋美希アナウンサー
「見た目もピンクでとてもキレイです。可愛らしくてイチゴのいい香りがします。イチゴが来てホエイの酸味が後から後からどんどん来て、とっても爽やかで飲みやすいです。これが捨てられていたものを使っていたとは、とても信じられないです」
Q:オープンして3年目になるということですが、これからどんなお店にしていきたいですか?
たまやま温泉Lab 一ノ渡渉さん
「日本人にとっての温泉ってすごく馴染みのあるものなので、温泉に来て、そこにジェラート屋さんがあったなと思って食べてもらえばいいなと思っています。盛岡の生乳を使った商品を色んなところで味わえればいいというお客様も多かったので、そういった販売などを頑張ってみたいです」
豊かな自然を生かした製品の数々で、地域の活性化を目指す「たまやま温泉Lab」。
盛岡産の生乳にこだわったジェラートと温泉を楽しみに出かけてみてはいかか。