基地問題や時代に翻弄されてきた人々を捉え続けてきた沖縄を代表する写真家の石川真生さん。

半世紀に渡る活動やその作品が高く評価され、文化庁が業績を挙げた人を表彰する芸術選奨の文部科学大臣賞に選ばれました。

真生さんは沖縄が本土に復帰する前の1971年に写真家を志し、懸命に生きる人々の姿を捉えてきました。

近年は、琉球王朝時代からいまへと続く歴史を紡ぎながら大国の狭間で翻弄されてきた沖縄を表現する創作写真「大琉球写真絵巻」に力を入れ、時節を切り取りながら為政者を痛烈に風刺してきました。

石川真生さん
「国の批判をいっぱいしている私に文部科学大臣賞という名前がついたのを国があげる。私の経歴を見たはずなのに『何でかな』と思った。賞金がちゃんと出る。これが(受賞を断らなかった)一番の決め手」

文化庁は選考理由について「人々の生き様が圧倒的な写真の力で生々しく集積され、国内のみならず国際的にも高い評価を受けている」とし、去年東京では初となる大規模な個展「私に何ができるか」を開催したことも評価しました。

石川真生さん
「『私に何ができるか』は私のことでもあるけど、これを読んでから『ヤマトの自分に突きつけられていると思う』と言う来場者が多かった。沖縄の置かれている状況はますます酷くなっているから。そしたら私は燃えるタイプ。とにかく死ぬまで生きるよ」

沖縄の苦難の歴史や過重な基地負担をエネルギーに変え、真生さんは創作意欲を燃やし続けています。

沖縄テレビ
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