鉄道を撮影しようとしてたカメラが、衝撃の瞬間を捉えていました。

12月10日、茨城県内を走る「鹿島臨海鉄道」を撮影しようと、踏切の前にカメラを設置する撮影者。

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「カンカン」と警報がなり、踏切に備え付けられている信号が赤に点灯。遮断機が下り始めた次の瞬間!

遮断機を跳ね飛ばす車
遮断機を跳ね飛ばす車

シルバーの車が遮断機が下りているにもかかわらず踏切に勢いよく突っ込み、下りてきた遮断機を跳ね飛ばして、そのまま走り去っていきました。

映像をよく見ると、車が衝突した衝撃で遮断機は折れ、線路側に倒れてしまったことがわかります。

慌てて踏切にかけより、備え付けの非常ボタンを押す撮影者。

さらに大きく手を振り、迫る列車に危険を知らせました。

撮影者:
このままだと、列車に折れた遮断機の棒が当たっちゃうと思って夢中で走って行って、(非常ボタンで)列車を止めにいったという感じですね。

撮影者の機転を利かした行動により、迫っていた列車は停車。事故を未然に防ぐことができました。

撮影者:
(非常ボタンを押した)状況をお伝えしましたら「ありがとうございます」とお礼を言われたかたちですね。何よりもけが人もないし、ほっとした気持ちでそれだけでしたね。

見通しの良い道路でなぜ?

遮断機が下りていたにもかかわらず、なぜ車は踏切に突入したのでしょうか?

「めざまし8」の取材班が現場を訪れると、現場は踏切の前に信号があるタイプの、見通しの良い直線道路でした。

視界に障害物はなく、遮断機が下りていることに気がつかないということは考えにくい場所です。

踏切の近くで働く人に話を聞くと、普段この踏切は朝の7~8時台の1時間に1度程度しか遮断機が下りることはないといいます。

踏切の近くで働く人:
(踏切は)朝の7~8時台に1本ずつ閉まる感じで、後は(大体)閉まってなくて、そのまま通っちゃうイメージのほうが強いですね。

普段下りていない遮断機に気がつかず、走り抜けようとしてしまったのでしょうか?

専門家「非常に重い犯罪」

一歩間違えれば、大きな被害が出た恐れもある踏切での危険運転。

交通事故に詳しい高山俊吉弁護士は、踏切に信号機が備え付けられていたことから、通常より“重い罪”に問われる可能性があるといいます。

高山俊吉弁護士:
非常に特殊な踏切と言っていいと思いますが、信号機が併設されている踏切の場合には信号機に従う。これは信号が赤のところで、入っているように見えるので、信号無視をしたということになります。もうひとつ、遮断機がさがろうとしている時、あるいは、警報器が鳴っている時に入ってはいけないという、ルールがあるため、2つの罪が問われます。

さらに、遮断機も破損していることから「器物損壊」に問われる可能性も…。

交通事故に詳しい 高山俊吉弁護士:
(踏切が破損しているので)器物損壊罪の成立も考えられる。全部成立するということになると、4年半以下の懲役、または、40万円以下の罰金、もしくは科料となる。非常に重い犯罪になります。
(めざまし8 12月13日放送)