宗教団体「エホバの証人」の元2世信者元3世信者らが、教団が指示していた「輸血拒否」に関わる実体験を証言した。
立憲民主党は20日、国会内で「エホバの証人」の元信者らを集め、ヒアリングを行った。
元2世信者で教団幹部だった男性は、かつて教団の「医療機関連絡委員」として「輸血拒否の教理に関連する活動を専門的に行う内部組織」に所属していたことを明らかにした。
男性は教団内での当時の活動について「言い尽くせない大きな後悔がある」とした上で、「輸血拒否による虐待、死亡事案さえ起こっている。現実をぜひ知ってもらいたい」と述べた。
さらに男性は、教団から破門となってから、これまで良好な関係だった家族と一切交流ができなくなったことを明かした。
また、元3世信者で20歳の男性は、両親から輸血拒否を強いられたために10歳の頃に見つかった心臓疾患の手術が8年間受けられなかったと明かした。医師からは「すぐに手術をした方が良い」と説明を受けたが、両親は絶対に同意しなかったという。
さらに、病院から帰るたび「どうして自分の口で輸血を拒否するとはっきり医師に伝えないのか」と鞭で打たれたと述べた。
その後、男性は18歳になってから自らの意思で手術を受けたが、輸血の承諾書の立会人欄に親は最後までサインせず、見かねた看護師が代わりに書いてくれたという。
元3世信者の男性は、両親が輸血を拒否した理由について「エホバの証人からの強制があったことや宗教からの恐怖があったことが理由だと絶対に言い切れる」とし、「今もこの教団の教えで苦しんでいる子どもは沢山いると思う。教団の外にいる人たちが外からの助けを差し伸べて欲しい」と訴えた。
ヒアリングを行った立憲民主党の早稲田議員は、児童虐待などの観点から国会の厚生労働委員会で「調査をする」との姿勢が示されたことに言及した上で、所管を引き継いだこども家庭庁に対しても今後の対応などについて確かめる考えを示した。