ふるさと納税日本一の宮崎・都城市で4億円以上の寄付を集めた人気の返礼品に発覚した、悪質な産地偽装。
「宮崎県産」と表示されていた鶏肉が、実はタイやブラジル産だったことがわかった。

「宮崎県産」鶏肉のはずが…

産地偽装を行っていたのは、熊本県に本社を置き、都城市に工場を持つ「ヒムカ食品」。

宮崎産と偽った返礼品は寄付金額で約4億4000万円という
宮崎産と偽った返礼品は寄付金額で約4億4000万円という
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九州農政局によると、ヒムカ食品は2022年10月からの半年間に、鶏のもも肉・約14万4120kgを宮崎県産と偽り、返礼品として出荷していた。寄付金額にすると、単純計算で約4億4000万円にのぼる。

寄付した人のX投稿:
いまいちおいしくなかったけど、まさか産地偽装してるとは

過去4回、2022年度もふるさと納税寄付額で1位の宮崎・都城市
過去4回、2022年度もふるさと納税寄付額で1位の宮崎・都城市

2022年度のふるさと納税寄付額で4度目の全国トップとなった都城市。その人気の返礼品で起きた産地偽装に街では、40代「産地が違うのはちょっと信頼問題」、30代「ショックですね、まさか外国産だとは」といった声が聞かれた。

国産と外国産の鶏肉では価格や味などにどのような違いがあるのか。

見た目の違いはほとんどわからず
見た目の違いはほとんどわからず

東京都内の精肉店で、国産とブラジル産の鶏肉を並べてもらうと、見た目にはほとんど違いがわからない。

しかし販売価格は、国産と外国産で2倍近い価格差があった。

ブラジル産と国産では2倍の価格差が
ブラジル産と国産では2倍の価格差が

「藤森畜産」代表取締役・藤森秀治さん:
もう全然違いますよね。ブラジル産だとそうですね、仮に55円ぐらいだとすると、国産が90円~100円ぐらい。

さらに味が違うという。

国産鶏肉は冷めてもおいしいという
国産鶏肉は冷めてもおいしいという

「藤森畜産」代表取締役・藤森秀治さん:
国産の方が冷めてもおいしいので、そこで差が出ると思います。

鳥インフルの影響で仕入れできず

なぜ、産地偽装が起きたのか。
業者から聞き取り調査を行った都城市の担当者を取材した。

担当者「鳥インフルエンザの影響で仕入れができなくなっていた」
担当者「鳥インフルエンザの影響で仕入れができなくなっていた」

宮崎・都城市ふるさと産業推進局・野見山修一副課長:
鶏インフルエンザがちょうどはやっていた時期ということもありまして、必要な宮崎県産の鶏肉が、仕入れができなくなっていたと。 

都城市「返金や代替商品の送付などの対応を協議している」
都城市「返金や代替商品の送付などの対応を協議している」

都城市は現在、ヒムカ食品が提供する返礼品の受け付けを停止していて、「返金や代替商品の送付などの対応を協議している」としている。
(「イット!」11月17日放送より)