カードゲーム企画販売会社「カードラボ」から約1億8千万円をだまし取ったとして、前社長の西浦恵一郎容疑者(48)が警視庁に逮捕された。

西浦容疑者は、ポケモンカードなどのレアカードを仕入れたように見せかけて、会社の資金を着服したとみられている。

レアカードを架空取引する手口で着服

人気カードゲームの販売を行う会社の前社長が、ポケモンカードなどのレアカードを仕入れたように見せかけ、会社の資金約1億8千万円を着服した疑いで、警視庁に逮捕された。

この記事の画像(11枚)

アニメグッズ専門店「アニメイト」のグループ会社「カードラボ」前社長の西浦恵一郎容疑者(48)は、2019年から約3年の間に人気のカードゲームを仕入れたように装い、架空の請求書などを発行して着服し、会社に約1億8千万円の損害を与えた、特別背任の疑いがもたれている。

西浦容疑者は、ポケモンカードや遊戯王シリーズなどのレアカードを架空取引する手口で着服を繰り返していたということだ。

このニュースについて、取材をした社会部警視庁担当の風巻隼郎記者がお伝えする。

約1億8千万円という大きな金額。どのようにして、会社からだまし取ることができたのだろうか。

最近、ポケモンカードを中心としたトレーディングカードの人気が沸騰している。1枚数百万円から数千万円で取引されるものもあり、投資の対象になったり、窃盗事件などが起きたりと、ニュースになることもしばしばだ。

西浦容疑者は、これらのカードの販売会社社長という立場を悪用し、人気の高い「レアカード」を中心に、4万点以上のカードやフィギュアの取引を装って、私服を肥やしていた。

架空請求は70回にものぼり、着服回数を重ねて、1億8千万円という金額に膨らんだ。

西浦容疑者は着服した金をワインや、女性との旅行、プレゼント代などに使ったとみられる。

FNNが入手した西浦容疑者の写真も、ワイングラスを手にしている。相当な“ワイン通”で、かなりの高級ワインに金を使っていたという。

「巧妙にうそをついてだましていた」

今回、「カードラボ」の社員がFNNのインタビューに応じた。社内では「だまされた」という落胆の声も多いようだ。

カードラボ経営企画室・藤谷正秀部長:
やはり百万円単位になると、社内でも気付く者がいて、西浦に問い合わせなどもしていたみたいですが、西浦が巧妙にうそをついて、だましていたということですね。会社の従業員のみんなの努力の部分を私利私欲に使っているということですので、その点は非常に私個人としては許せない。

西浦容疑者は社長のため、経理担当の社員としてみれば「様々な理由をつけて、社長自ら請求書を出しているから疑うことはなかった」という認識で、なかなか発覚しづらかったようだ。

会社の関係者によると、不正着服は約8年ほどにわたっていたとみられ、警視庁が全容解明を進めている。
(「イット!」 11月15日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(11枚)