「クマの子と親の間に人が知らずに入ると、親は必ず襲ってくる」と危機感を抱く動物園。10月28日、広島市安佐動物公園に野生の“クマの親子”が侵入した。広島県内では人がイノシシにかまれる被害も起きている。

31日から動物園の西園エリアを閉鎖

10月28日午後6時ごろ、広島市安佐動物公園で野生のツキノワグマの親子が撮影された。閉園後の暗闇の中に現れた体長1.5メートルほどのクマ、そしてその後ろをついていく“もう1匹の小さなクマ”。2匹は親子と見られている。

広島市安佐動物公園に侵入した野生のツキノワグマの親子
広島市安佐動物公園に侵入した野生のツキノワグマの親子
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クマによる被害はなかったが、職員が園内を探してもクマを見つけることはできず、動物園は31日から発見された周辺の西園エリアを閉鎖した。

動物園を訪れた家族:
まさかここでも出たとは思わなかったので、びっくりです

子を守るために“人を襲う”危険あり

安佐動物公園にクマの親子が確認されたのは今回が初めて。動物園は「親子」ということに危機感を抱いている。

広島市安佐動物公園・阿部勝彦 園長:
大きさからすると子グマは生まれて1年未満なので、親は当然守ってくるでしょう。子と親の間に人が知らずに入ると、親は必ず襲ってくる

この動物園では2021年や2022年も野生のツキノワグマが侵入している。

広島市安佐動物公園・阿部勝彦 園長:
森にクマの餌が少ないのかもしれない

(Q:動物園にクマの食べ物がある?)
広島市安佐動物公園・阿部勝彦 園長:
ドングリの実がなっています。動物園の運営としては困りますね

園内の西園エリアは、クマが冬眠を始める12月中旬ごろまで閉鎖する予定だ。

イノシシが覆いかぶさり顔面血だらけ

一方、福山市の住宅地ではイノシシが現れた。

イノシシが現れた福山市引野町の住宅地
イノシシが現れた福山市引野町の住宅地

市などによると11月1日午前7時前、福山市引野町の住宅地で20代の男性が体長1.3メートルのイノシシにかまれ、顔や腕などにけがをした。命に別条はない。

イノシシを取り押さえた人:
男性があおむけになってイノシシが覆いかぶさり、顔面は血だらけだった

地元の人によると、この近所では9月下旬から親子連れとみられるイノシシ4頭の目撃情報があり、自治会などが注意を呼び掛けていた矢先の事故だった。

海を泳ぐイノシシが広島市中区にも

さらに、10月31日、広島市中区の工場付近でも海を泳いできたイノシシ1匹が目撃された。

広島市中区の海沿いにある工場
広島市中区の海沿いにある工場

イノシシは海を泳いで護岸のブロックの隙間に入り込み、朝になるとまた海を30メートルほど泳ぎ、別のブロックへ移動したということだ。

海を泳いで移動するイノシシ
海を泳いで移動するイノシシ

目撃者:
まさか広島市のど真ん中で、しかも海からというのは予想外でした

広島県内で野生動物が人間の生活圏に現れる事態が相次ぎ、住民の間に不安が漂っている。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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