岸田首相は5日、ロシアで包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准撤回に関する法律が発効したことについて、「国際社会の努力の積み重ねに逆行するもので極めて遺憾」と述べた。
岸田首相は、訪問先のマレーシア・クアラルンプールで、ロシアのCTBT批准撤回について記者団から問われ、「CTBT発効の促進に向けて、これまで国際社会が長年にわたって、努力をしてきた」と強調。その上で、批准撤回は「努力の積み重ねに逆行するものであり、極めて遺憾だ」と述べた。
また岸田首相は、「核軍縮をめぐる情勢は、極めて厳しい状況にあると認識している」としつつ、「だからこそ被爆地出身の首相として、CTBTの批准をはじめとする現実的かつ具体的な取り組み、実践的な取り組みを進めていかなければならない」と強調した。そして「『核兵器のない世界』に向けて、様々な国際会議の場などで日本としての立場を働きかけていきたい」と語った。
ロシアのCTBT批准撤回に関する法律は、2日にプーチン大統領が署名し、公布、発効している。