農林水産省は12日、政府が輸入した小麦を国内の製粉会社などに売り渡す価格について、来月から6か月間の平均を1トンあたり6万8240円とし、前の期に比べて11.1%引き下げると発表した。値下げは3年ぶり。

アメリカの主要国産地の天候が小麦の生育に好条件であったことや、中国との輸送需要の減少等により、海上運賃が下落したことなどか要因としている。

小麦の売り渡し価格はこれまで主な産地のアメリカやカナダでの不作や、ロシアによるウクライナ侵攻で供給不安となり上昇傾向だった。

農水省は食パン1斤あたり2.0円、飲食店での中華そばは1杯あたり0.7円、家庭用薄力粉は1キロあたり13.0円の値下げになると試算している。

日清製粉グループは「今回の政府売渡価格の引き下げは、小麦粉需要の回復のきっかけになると思う。業務用小麦粉や家庭用小麦粉の価格引下げについてこれから検討していく」としている。

(フジテレビ経済部)

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