いつも笑顔をほころばせながら、数々の動物たちとふれあい、心を通じ合わせてきたムツゴロウさん。

動物学者で作家の“ムツゴロウ”こと、畑正憲さんが心筋梗塞のため、5日、北海道内の病院で亡くなった。
87歳だった。

自らが作り上げた“動物王国”やテレビ番組などを通じて、動物との関係はどうあるべきか、人々に伝え続けてきたムツゴロウさん。

“ムツゴロウ”こと畑正憲さん「こうやってですね、サルの言葉で話しかけるんです。体のグルーミングをしてやることも会話なんです」

その優しい語り口調を聞くことは、もうできない。

1935年(昭和10年)生まれの畑さんは、東京大学で生物学を学んだあと、会社勤めを経て、作家に転身。

“ムツゴロウ”の名で、小説やエッセーを数多く発表した。

そして、動物との共同生活を目指し、北海道に移住。
1972年に「ムツゴロウ動物王国」を設立した。

そんなムツゴロウさんの名を一躍有名にしたのが、フジテレビ系で放送されたテレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」だった。

“動物たちとの交流”を紹介した、この番組。

ヒグマをはじめ、人間にとって危険なイメージがある猛獣とも全力でじゃれ合い、スキンシップを図った。

1980年にスタートし、2001年まで続いた「ゆかいな仲間たち」シリーズ。

動物番組の先駆けとして、多くの視聴者の心をつかんだ。

晩年になっても、さまざまな場を通じ、動物との関わり方を伝え続けた、ムツゴロウさん。

一方で、6年前に心筋梗塞で緊急入院。
その後も入退院を繰り返すなど、病とも闘っていた。

葬儀は7日、北海道の自宅で執り行われるという。