アメリカ・ワシントンを訪問中の河野デジタル相は1月11日、CSIS・戦略国際問題研究所で講演し、「データ流通に関する規制をまとめた国際的なデータベースの作成を提案する」と述べた。

日本政府は、2019年にDFFT(Data Free Flow with Trust)「信頼性ある自由なデータ流通」を提唱している。プライバシーやセキュリティ・知的財産権に関する信頼性を確保しつつ、ビジネスや社会課題の解決に有益なデータの自由な流通を可能にする、国際的なルール作りを目指す考えだ。

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セキュリティや知的財産権に関する規制は国によって異なる。そこでDFFTの考えの元、各国のデータ流通に関する規制をまとめて比較可能にして、制度の問題点をお互いに指摘し合い、規制を改善しやすくすることで、データの自由な流通を促すことが狙いだ。

河野大臣は今回、DFFT実現に向けて規制のデータベース化を提唱し「事務局をおいて、明確に目的を定めて成果を出す組織を作りたい」と、具体的な提案を初めて披露した。

データ流通の拡大は社会発展に繋がることが期待されている。

自動運転など様々な場面で活躍するAIは、データを分析することで成長する。現在世界各地で開発が進んでおり、海外のデータに自由にアクセスできれば、分析できるデータ量が増え、AIの成長も加速するメリットがある。

一方で、データの国外移動には、当然セキュリティリスクもある。

河野大臣は「色んな議論は行われてきましたけども、そろそろ議論を実践に移さなければいけない」と国際的な枠組みの作成に向け意欲を示しており、4月に行われるG7デジタル・技術大臣会合で、どこまで具体化するか注目される。