世界のスーパーコンピューターの性能ランキングが発表され、理化学研究所と富士通が開発した「富岳」が、計算速度の2つの部門で5連覇を果たした。
世界のスーパーコンピューターの性能ランキングは、半年に1度、専門家らによる国際会議で選考されている。今回の会議では、富岳が、産業応用で使う計算の処理速度を測る「HPCG」、「グラフ解析の性能」を示す2つの部門で、世界1位を獲得した。この2つの部門では5期連続で首位を維持したことになる。
一方、半年前の会議まで4連覇を果たしていた「単純な計算性能」「人工知能に関する計算性能」を示す2つの部門については、2位となった。この2部門で、首位に輝いたのはアメリカの「Frontier」だった。
富岳は、新型コロナウイルスの飛沫の拡散シミュレーションや、災害を引き起こす大雨の要因となる「線状降水帯」を予測するシステムにも活用されている。理化学研究所・計算科学研究センターの松岡聡センター長は「今後も富岳のさらなる高度化に努め、多くの社会的課題を解決していきたい」とコメントしている。