感染対策としてエレベーター前に綿棒を設置

新型コロナウイルスの感染予防のため避けるべきなのは「密閉空間」「密集場所」「密接場面」が揃った“3密”の状況。

まさに“3密”と言えそうなエレベーターについて、マンションなどでは相乗りを避ける動きも出ている。

こちら神奈川県の湯河原駅前にあるエレベーター内に「ボタンを押すときにご利用ください」というメッセージと共に用意されていたのは、発泡スチロールに刺さった何本もの綿棒だ。

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一体なぜなのか?

答えは、階数ボタンを直接触らないための感染対策だった。

綿棒使用後は、エレベーター内に設置されたペットボトルで作られたゴミ入れに捨てる。

エレベーターに乗った女性:
誰が考えたんでしょう、えらい!頭いいなと思いましたよ、この仕組みは。すごくいいわ。うれしい

鍵やカードでボタン押し マンション住民の工夫

今、こうしたエレベーターやオートロックなど、マンション内の共有スペースで起きる集団感染に不安の声が上がっているのだ。

そこで、Live News it!の取材班はタワーマンションが立ち並ぶ神奈川県川崎市の武蔵小杉へ。マンション住民に話を聞いた。

10代女性:
(エレベーターは)密閉空間なので、ちょっとの時間で感染するんじゃないかって…

こちらのタワーマンション内で撮影された映像には鍵で階数ボタンを押すようすが写っていた。

撮影した男性は、29階に住んでいるためエレベーターの使用は避けられない。そこで、ボタンに直接触れずに鍵を使って押すよう心がけているという。

撮影した男性:
小さい子どもがいるので、子どもを連れている時は、人が乗っている時は乗らないようにしています

さらに、街の人からはこんな声も…

50代女性A:
カードでボタンを押してます。手で接触するのはあまりよくないかと思って

50代女性B:
ボタンを押す時に人差し指じゃなくて、あまり触れていないこの辺(第2関節のあたり)でポンとするようにしたりとか

エレベーターや階段に接触感染のリスク…対策は?

多くの人が暮らすタワーマンション。在宅勤務や外出自粛などの拡大に伴い、エレベーターからの感染の恐れはあるのだろうか?専門家に聞いた。

昭和大学病院 二木芳人客員教授:
一緒に乗った感染者の方がボタンを押されます。そうするとその後、私が押すことで、ここで接触感染が生じる可能性があります

エレベーターを使わず階段で上がった場合でも、感染者が触った手すりなどを通して感染する危険はあるという。

他にも多くの住民が触れるオートロックボタンなど、マンションには多くの感染リスクが潜んでいるという。

では、感染を防ぐためにはどのような対策が有効なのか?マンション管理会社にアドバイスする会社に、エレベーター内での感染対策を聞いた。

さくら事務所管理コンサルティング 土屋輝之執行役員:
エレベーターは送風機換気扇のいずれかが付いているのが一般的だと思います。管理会社に相談して、常時稼働させておく対応をお願いするとよいと思います

(「Live News it!」4月16日放送分より)