自民保守派が新型コロナの経済対策で“消費減税”など7項目の提案

自民党保守派議員らが作る「日本の尊厳と国益を護る会」(以下「護る会」)は17日夜、首相官邸で「武漢熱クライシス克服に向けての緊急要望」と題した安倍首相宛の要望書を提出した。要望書では「武漢熱(新型コロナウイルス)の世界的感染拡大が続いている。わが国の感染者数は緩やかな増加に止まっているものの、そのピークはいまだに見えず、終息の時期を予測するのは未だ困難な状況にある」と指摘した。その上で、以下の7項目の対策を提言した。

自民党の青山繁晴参院議員・17日

1.消費税を5%へ大幅減税すること(12.5兆円)
2.全国民に1人当たり10万円の期限付き購買券を配布すること(13兆円)
3.中国に再び依存しない。内需主導型の強靱な経済基盤を再構築するため、サプライチェーンの国産化、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国などへの分散、インバウンド主体の経済体質の改善等、経済安全保障への新たな取組みを断行すること(10~15兆円)
4.東京オリンピック・パラリンピックの中止は決してせず、最善の形で開催すること
5.米国始め世界各国と連携した感染症の封じ込めへの取組みを進めること
6.特に、感染症対策においても日米の同盟関係が盤石であることを示すために、新たな「トモダチ作戦」を日本側から提起し、お互いを双務的に支援できる関係を構築すること
7.武漢熱をめぐる虚偽の流布に対して、その都度正しい情報を発信し、揺るぎない信念で、国民と共にこの難局を乗り切る断固たる決意を示し続けるため、安倍総理自らが国民に直接語りかける機会を日常的に作ること

青山繁晴議員「税率が半分になるというわかりやすさも含めて消費税5%が妥当」

提言をまとめた青山繁晴参院議員に詳しい話を聞いた。提言の1番目にあげた「消費税5%減税」について青山氏は「消費増税で税率10%になったことが景気の下降を招いた」と指摘。さらに新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響が出ていることから、「護る会」で議論を重ねた結果として、「税率が半分になるというわかりやすさも含めて消費税5%が妥当だ」と強調した。

「消費税5%が妥当」と青山氏

一方、提言の2番目にあげた「10万円の期限付き購買券の全国民への配布」のポイントについては、「配る対象を限定せず全国民にする意味とどこでも使えること。また、期限付きにしたのは、その場で使う人がほとんどで、おいておく意味がないからだ」と説明する。経済対策の規模感については「最大40兆円前後」と想定し、「消費税で12.5兆円の財源。購買券10万円給付で13兆円にとどめれば計算が合う」とした。

「10万円の期限付き購買券の全国民への配布を」と青山氏

「中国に再び依存しない」枠組みについては、青山氏は「ASEANも成長して人口6億人超。まだまだ成長する。中国依存をすべて止めるという意味でなく、ASEAN諸国と協力しサプライチェーンの分担をする」として「アジアに新しい経済安全保障に基づいた秩序を作ろう」というのが狙いだと明かした。

首相「強大な経済政策を前例にとらわれず」政府与党内“現金給付”など意見が交錯

G7テレビ電話会議後に取材に応じる安倍首相

首相がG7首脳の電話会議で「東京五輪の完全な形での開催」と発言したことに対して、「護る会」の提言では「最善の形で開催」としたが、このワードについて青山氏は「たまたま重なった」とし「東京五輪の開催を担保するためにどうしたらいいのか」との問題意識が根底にあると語った。その上で首相の「東京五輪の完全な形での開催」発言については「良いタイミングで良い発言だったと思っている」と青山氏は評価した。

こうした中、安倍首相は17日に自民党の岸田政調会長に対し、緊急の経済対策の検討を指示した。政府・与党内では具体策の1つとして“現金給付”が検討され、支給対象については「すべての国民」とする案などが浮上している。閣僚経験者の一人は「全国民に5万円を配ることも可能だ」と指摘している。

しかし青山議員はこの現金給付案については「現金だと貯蓄に回る」と語った。ただ、自民党内からは青山氏らの提唱する購買券の給付について、「購買券を今から刷り始めても時間的に間に合わない」と実現を疑問視する声も聞かれる。一方である自民党幹部は、観光等に使用目的を限定した「クーポン券」の創設を主張するなど、現金給付以外の何らかの券の給付についての議論自体は続いている。

安倍首相は、17日の自民党大会に代わる両院議員総会で「厳しい状況の経済をV字回復させるための強大な経済政策を前例にとらわれず大胆に練り上げていこう」と党内に呼びかけた。今回の「護る会」の大胆な提言など、政府与党内では様々な意見と思惑が交錯している。落ち込む消費を大胆に喚起し、経済を回復する策を練り上げられるかどうか、検討は今まさに山場を迎えている。

両院議員総会での安倍首相・17日

(フジテレビ政治部 門脇功樹)