世界各国で叫ばれる「脱プラスチック」

海岸に打ち上げられる大量のごみ…その多くがプラスチック。
このプラスチックごみが海の環境を汚染しているとして、今 世界各国で「脱プラスチック」が叫ばれている。

そんな時代の流れに一石を投じる企業が、石川県内にある。

石川樹脂工業・石川章社長:
プラスチックが悪いのではない。プラスチックの概念を壊したい

創業70年を超える石川樹脂工業。
全国に先駆けてプラスチックの箸を生み出したほか、新幹線のレールをつなぎとめる特殊な部品を開発するなど、高い技術力を背景に、さまざまなプラスチック製品や商品を手掛けてきた。

しかし今、プラスチックには大きな逆風が吹いている。
そんな逆風に対抗しようと、3年前に発売した商品がある。
それが、こちら。一見、ガラスのように見えるが...

石川樹脂工業・石川勤専務:
特徴となるのが、この縁の“ゆらぎ”。これはガラスの成型では非常に難しい。樹脂(プラスチック)だと簡単にできる

ゆらいだ形は、ひっくり返すと空気がこもらず衛生的。
2007年にアメリカで開発された新しいプラスチック素材「トライタン」を使ったこの商品。
最大の特徴は、「どんなに曲げても割れない」「落としても割れない」という2点。
1,000回落としても割れないため、ごみにならない。

石川樹脂工業・石川勤専務:
まさにガラスと見間違える透明感。耐熱温度も100度までOK。アルコールや食洗機に入れても大丈夫。(トライタンは)機能面で、透明の素材としては最強の素材です

大手ファミレスチェーンが その「安全性」から採用

いち早く関心を寄せたのが、大手ファミレスチェーン・サイゼリヤ。
ドリンクバーのグラスやワイングラスは、すべてトライタン製品に切り替えた。
見た目が美しく、落としても割れない安全性を評価した。

サイゼリヤの利用客:
きょうだいがいっぱいいるので、(ガラスだと)ぶつけると危ない

サイゼリヤの利用客:
(ガラスだと)割れることを考えたら、これで十分だと思う

「誰もやらないことをやれ」 “概念を壊す”企業の挑戦

プラスチックへの逆風に立ち向かった石川樹脂工業。
その精神を支えたのは、もともとは山中塗の木地職人だった創業者・石川重雄さんの「誰もやらないことをやれ」という言葉。

ある日、石川専務が訪ねたのは、ミシュランの星付きレストランなど全国各地から依頼が舞い込む金沢市のデザイナー集団・secca。
まるで陶器のようなプレートも、プラスチックでできている。

「プラスチックならではの美しさをデザインしたい」。
機能面に優れた、ゆらいだ形を提案したのは、seccaの上町達也CEO。

secca・上町達也CEO:
プラスチックを長く使っていただくことを念頭に、デザインしている。長く使う分だけ、そぎ落としてシンプルに。どんな家庭でも、どんなシーンでも、どんな現場でもなじむ形にすることを前提に(デザイン)している

石川樹脂工業・石川勤専務:
(提案されたものは)大抵作るのが難しくて。難しいと思う反面、裏を返していくと、誰も見たことがない形状だと思う

「誰もやらないことをやれ」。
創業者から受け継いだ精神で、そうしたデザインを形にしたところ、注文が殺到。
石川樹脂工業は今、トライタン製品で国内シェアトップ
世界シェアのトップも狙う。

石川樹脂工業・石川章社長:
1個使ったものを長く使えば、ごみが出ない。ガラスをやめる。プラスチックは長く使える。次に出ているのは、陶器をやめる。陶器は割れるが、プラスチックは割れない。チャレンジしないところに未来はない

「安くて使い捨て」、そんなプラスチックの概念をぶっ壊す。
高い技術を生かしたデザインで、プラスチックの新たな価値を世界に発信する。

(石川テレビ)

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