グルメサイトの評価を「信頼していない」人は26%

飲食店に予約・顧客を管理するシステムなどを提供している会社「テーブルチェック」が実施した調査で、グルメサイトの評価や表示される順位を信頼していない利用者が26%に上ったことが分かった。

調査を行ったのは2019年11月で、対象は20~60代でグルメサイトを使った経験のある男女1112人。

グルメサイトでの点数やランキング表示について、「あまり信頼していない」「まったく信頼していない」と答えた利用者は合わせて26%だったのだ。

56%と多数を占めたのが「信頼はしているが、あくまでも情報源の1つ」で、また「飲食店選びの基準になっている」と答えた利用者は12%にとどまった。

(画像:テーブルチェック)
(画像:テーブルチェック)
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グルメサイトは料理のジャンルやお店の地域などを選ぶだけでおすすめの飲食店を紹介してくれる便利なツールで、利用している人も多いはず。

しかし今なぜ、グルメサイトの評価を「信頼していない」人が増えているのか?

そして、グルメサイトに代わる存在として新たに飲食店選びのツールとなっているものがあるのだろうか? テーブルチェックの広報担当者に話を聞いた。

グルメサイトの信頼性が低い理由

――グルメサイトの信頼性が低下している理由は?

まず、グルメサイトでは「自分好みのお店」が見つけにくいことが挙げられます。

なぜかというと、グルメサイトの表示順位が、飲食店がグルメサイトに支払う広告掲載料などに連動していることが多いことから、ユーザーひとりひとりの属性や行動パターンから分析した嗜好にフィットしていない。そのため、最適な飲食店が探しづらい、と考えられます。

また昨今、グルメサイトの掲載情報に関して「有料契約すれば点数があがる、とグルメサイトの営業から言われた」「さくらレビューが蔓延している」などの話題がたびたび、ネット上で拡散され続けており、こういった情報もユーザーのグルメサイトに対する信頼度を下げている原因になっていると考えられます。

代わりに信頼を得ている“3つの情報源”とは?

――ではユーザーは今、何を基準に飲食店を選んでいる?

グルメサイト上では、自身の嗜好や利用目的にフィットした飲食店を探しづらくなっているため、下記の3つの情報源の価値が増していると考えられます。

1. 友人・知人の口コミ
2. SNS(飲食店発信、グルメインフルエンサー発信など)
3. Google検索


特に「3. Google検索」に関しては、全世界にユーザーが存在し、近年、情報量の蓄積が加速しています。

基本的な店舗情報のほか、ピークタイムやユーザーレビュー、写真、地図情報が掲載されており、さらに最近ではGoogleから直接予約が可能な店舗も増えてきています。

これはGoogle社が提供する「Googleで予約(Reserve with Google)」というサービスで、Google検索から直接、希望日時、人数を記入して、予約が完了できるというものです。

また、グルメサイトの情報よりも、グルメインフルエンサーといわれる食通の方々が、自身のSNSでおすすめの飲食店を積極的に紹介されていたり、飲食店が日々おすすめのメニューなどを発信していたりと、こういった情報がユーザーとして簡単に入手できるようになったことも、グルメサイト以外の情報源の価値増大の大きな要因と考えられます。

グルメサイトが信頼を取り戻すためには…

――では、グルメサイトが信頼を取り戻すためにはどうすればいい?

飲食店に対する評価や表示順位に関して透明性を高め、ユーザー、飲食店双方に対して丁寧に説明していく必要があると思います。

ただ、表示順位や評価のアルゴリズムをすべて公開してしまうと、それをハックしてしまうSEO業者が現れ、信頼性がさらに下がってしまい、評価制度自体が成立しなくなる恐れがあります。

その危険性を排除できる範囲内で公開。説明できる部分はしっかりと、ユーザー、飲食店に対して、発信をしていくべきだと考えます。

いろいろな要因が重なり、4人に1人が信頼していないというグルメサイト。

その一方で信頼性が高いのが「友人・知人の口コミ」「SNS」「Google検索」という3つの情報源だ。「友人・知人の口コミ」は昔からだと思うが、特に「Google検索」は今後ますます信頼性を高めていく可能性があるようだ。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。