「ゴーンごっこ」がSNSで流行中?
2019年12月29日、保釈中にレバノンへの前代未聞の逃亡劇を演じた日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告。
この国外逃亡にあたり、ゴーン被告が使用したとされるのが、楽器や音響機材などを入れるための大型ケースだ。

一連の報道が世間を騒がせる中、ヤマハ製の管楽器についての情報を発信しているヤマハ・ウインドストリーム(@Yamaha_Wind_jp)がこんな注意喚起を投稿し、話題となっている。
【お願い】
理由については触れませんが、大型の楽器ケースに人が入ることに関することをネタにしたツイートが多く散見されるようになってきました。
不幸な事故が起きてからでは遅いですので、皆さんの周りでは実際にそのようなことをしない、させないように皆さんで注意し合ってください。— ヤマハ・ウインドストリーム (@Yamaha_Wind_jp) January 11, 2020
「理由については触れませんが、大型の楽器ケースに人が入ることに関することをネタにしたツイートが多く散見されるようになってきました。
不幸な事故が起きてからでは遅いですので、皆さんの周りでは実際にそのようなことをしない、させないように皆さんで注意し合ってください」
ぼかしているが、ゴーン被告の逃亡がきっかけとなっていることは言うまでもない。FNNでも『直撃LIVE グッディ!』にて楽器ケースに身を隠す方法などを検証したが、実際にSNSで「楽器ケース」と検索すると、ケースの写真と共に「入れるかな?」「これなら入れそう」などのコメントが添えられた投稿が数件すぐに見つかった。
(関連記事:ゴーン被告が隠れて国外脱出したとされる大型ケースとは?スタジオで生検証)

さらに、今広まっているワードが「ゴーンごっこ」。
ゴーン被告が使ったとされる大型のハードケースではないが、チューバやコントラバスを入れる大きなソフトケースに人間が潜り込んだ写真もすでにいくつか投稿されているのだ。
ヤマハが危惧する“ゴーンごっこ”が実際に行われてしまっている現状、そもそも「楽器ケース」という用途外の使用が好ましくない、ということは大前提だが、改めてどんな危険があるのか、株式会社ヤマハミュージックジャパンにお話を聞いてみた。
ケースは「内側から開かない構造」
――改めて、“ゴーンごっこ”にはどんな危険がある?
楽器・音響機器のケースはハードケース・ソフトケースいずれも密閉度が高く、内部から開けることができません。
「楽器ケースに人が入ること」は想定しておりませんが、ハードケースであってもソフトケースであっても危険であることは変わりありません。人や動物などが入ることは大変危険な行為ですのでおやめください。
――注意してほしいことは?
楽器や音響機器のケースに人や動物などが入ることは大変危険な行為であり、本来入れるべきでないものを無理に入れることで、楽器・音響製品を保持するための外装・内装・緩衝材などが破損するなど、ケースの性能が保てなくなることもありますので、お避けください。
――大きな反響がありましたが…
正直反響に驚いていますが、ツイートをご理解いただき、共有してくださっている方もいらっしゃり、今回の投稿が注意喚起につながることを切に願っています。
ヤマハによると、“ゴーンごっこ”の危険な点として挙げられるのが、ケースの密閉性の高さ。
この密閉性の高さに加え、ケースは内側から開かない構造になっているため、窒息の危険があるのだ。
現在までに“ゴーンごっこ”に関する問い合わせや事故の報告などは寄せられていないというが、ヤマハは「楽器・音響機器用のケースは楽器や音響機器を収納するために設計されています。正しくご利用ください」と強調している。