新型コロナウイルスの感染が国内でも拡大する中、日本感染症学会と日本環境感染学会が21日、
市民に向けて注意すべきことを発表した。

両学会の公式サイトには「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)―水際対策から感染蔓延期に向けて―」というタイトルで同様の内容が掲載されている。その冒頭には

「指定感染症としての認定、武漢市からの邦人の移送、施設およびクルーズ船における経過観察措置など、水際対策の実施は国内の感染者数の急激な増加に一定の抑制効果を示してきました。しかし残念ながら、2月15日以降、日本各地で感染経路が特定できない感染事例が報告され始めたのはご承知の通りです。このような状況の中で、地域の状況を見ながら、地域単位で感染対策のフェーズを水際対策期から感染蔓延期へ移行させていくことが必要になってきます。
(中略)
新型コロナウイルス感染症が地域によっては感染蔓延期を迎える中で、医療関係者はもとより、一般市民の方々におかれましても、その対応と行動を変えていく必要があります。以下にそのポイントを解説させていただきます。」

感染対策のフェーズを水際対策期から感染蔓延期へ移行させていくことが必要となる中で、医療関係者だけでなく、一般市民もその対応と行動を変えていく必要があると呼びかけている。

まずは、“これまでに明らかになってきた新型コロナウイルスの特徴”について。

・感染を受けた人の中で潜伏期間(1〜12.5 日)ののち一定の割合で発熱・呼吸器症状などの感染症状が認められる。
・発熱や呼吸器症状が 1 週間前後持続することが多く、 強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多い。
・風邪やインフルエンザに比べ、症状が長引く。

一般市民が注意すべき事項10項目

では我々はどんな対策をすべきか?“一般市民が注意すべき事項”にその対策10項目が書かれている。

・自分自身の健康管理を行ってください。体調が優れないときは朝・夕の体温測定を行いましょう。
病院や施設での面会を控えましょう。高齢者や基礎疾患のある人に感染症をうつさないようにするためです。
・人が多く集まる室内での集会等の参加は必要なものに限りましょう。
公共交通機関において、つり革、手すりなどの他人が触れる場所に触れた後は、鼻、口、目などを触らないようにしましょう。不特定多数の方の触れるものに接触した後の手指衛生が重要になります。
・会社、学校、自宅に着いてから手洗いをしっかり行いましょう。
時差通勤によりラッシュアワーを避けましょう
・東京オリンピック・パラリンピックに向けて準備してきたテレワークによる自宅勤務も活用しましょう。
・37.5℃以上の発熱、咳、倦怠感がある場合には、出来るだけ会社、学校は休み、自宅での安静・静養を行いましょう。
・37.5℃以上の発熱、咳、倦怠感がある場合に、人と接触する場合は、咳エチケット(マスク着用)を行い、手で鼻、口を触った場合は、手洗いを行いましょう。
・体調不良者(発熱、咳など)に接する場合には、マスクを着用しましょう。


マスクの着用、手洗いの徹底などのもはや常識となっている対策だけでなく、高齢者や基礎疾患のある人にうつさない対策や、公共対策機関で不特定多数の人が触れるものを触った後は、鼻、口、目などを触らないようにといった対策をあげている。

また、“高齢者または基礎疾患のある人”については…

毎日、朝・夕、体温測定を行う
多くの人が集まる集会場等へ行くことは控える
インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンを接種されてない方は医療機関で接種を受ける

そして、“感染の疑い”がある人はどうすべきか?

1週間以内に症状が軽くなりそうなら、自宅で安静に
※ただし、家族などの感染に気を付け、マスク着用とこまめな手洗いや手指消毒を心がける
1週間以上熱が続く、呼吸苦・呼吸器症状の悪化がみられる場合には医療機関へ
※ただし、1週間未満であっても高熱や呼吸困難がみられる場合は、速やかに帰国者・接触者相談センターに相談を。

日本感染症学会 日本環境感染学会

PCR検査は決して万能ではない

また、ネット上でも「症状を訴えても検査をしてもらえない」という声が散見される、新型コロナウイルスに感染したかどうか検査するPCR法についても触れている。

「新型コロナウイルスは、主に咽頭や肺で増殖しますが、インフルエンザに比べてウイルス量は少ないと考えられています。PCR 法という核酸検査で増幅してウイルスを検出する方法が診断に応用されています。最初の検査で陰性で、2回目の検査で陽性となった症例も報じられました。インフルエンザに比べて1/100〜1/1,000といわれるウイルスの少なさは、 検査結果の判定を難しくしています。とくに早い段階でのPCR検査は『決して万能ではない』ことをご理解ください。

新型コロナウイルスは、インフルエンザに比べ、非常に少ないため検査結果の判定が難しいようだ。決して万能ではないことを理解して欲しいと訴えかけている。
刻々とフェーズが変化する状況の中、日本感染症学会と日本環境感染学会が発表したこれらの呼びかけを把握し、正しく恐れ、感染を防ぎたい。

(日本感染症学会 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)―水際対策から感染蔓延期に向けて―はこちら

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