安倍首相が全国の小中高などに臨時休校を要請

国内における新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。

この感染対策として、鈴木直道 北海道知事は2月26日、道内の小中学校およそ1600校に、翌27日から1週間の休校措置を取ってほしいと要請。

続く27日には、村越祐民 市川市長が、市立の小中学校や幼稚園など合計61校を28日から2週間、松井一郎 大阪市長が同じく市立の幼稚園・小学校・中学校すべてを29日から2週間の臨時休校とすることを決定した。

さらには、安倍晋三首相が全国全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校に対し、3月2日から春休みまで臨時休校とするよう要請すると表明。入試や卒業式については、感染防止の徹底や必要最小限の人数での開催を求める一方で、閣僚らには感染を抑制し、国民生活や経済に及ぼす影響を最小とするために必要となる法案を早急に準備するように指示している。

一方でこの要請に対して、疑問視する首長もいる。

千葉県の熊谷俊人 千葉市長は、「 全国一斉春休みまで休校…いくらなんでも…。医療関係者など社会を支えている職種の親はどうするのか。社会が崩壊しかねません」とTwitterに投稿。




また、山野之義 金沢市長も「経済活動に対しても影響が大きすぎる。総理の危機感は受け止めるが全校休校は政治家として市民に説明できない」と、2日からの休校を行わない姿勢を示している。

子ども向け知育アプリの企業がアプリの無償提供を決定

学校が休みとなり、共働き世帯などで子どもの面倒を見られるのかということ自体も心配されているが、家庭で過ごすことが多くなる子どもに何をさせておけばいいのかということもある。

そのような中、子ども向けアプリ教材開発や運営などを行うワンダーラボ(東京都)は、"家庭で思考力を育てられる"アプリ「Think!Think!(シンクシンク)」の有料コース(月額300円/月額980円の2種類)を3月1日から31日までの1カ月間、全世界で無償提供することを発表したのだ。

その理由について「コロナウイルスに伴う小中高校の臨時休校決定など、ご家庭で過ごすことが多くなる子どもたちに、少しでも弊社にできることをさせていただきます」とコメントしている。



アプリは 5~10歳児を対象とし 、思考力を育てる1回3分のミニゲーム形式の教材を100種類1万5000問を収録。問題は、空間認識・平面認識・試行錯誤・論理・数的処理の5分野で構成され、現在150カ国のべ100万ユーザーが利用している(うち日本が8割、中国とアメリカで1割、残り1割がその他の国となる)。

例えば、割れずに残る風船を選んだり、穴の開いた壁にブロックが通るか通らないかを○×形式で答える問題となっている。

「シンクシンク」が出題する問題の例。
この記事の画像(4枚)


ワンダーラボの決定に対し、ネット上では「なんてやさしい!子ども1人で毎日何させたらいいか悩んでたところです」「すばやい判断!ありがたいです!」「このような判断ができる企業のトップは頭がいいんだろうなと尊敬します」という感謝と称賛の声が並んだ。

そして同社のこの無償提供を発表するツイートには、約2万のリツイートと、約2万7000の「いいね!」を集めている。(28日現在)

子どものことを考えた"英断"ともいえる今回の決定だが、 ワンダーラボが今回の無償提供に踏み切った真意は何だろうか? また、新型コロナウイルスの感染拡大が続いた場合には追加対応を実施するのだろうか? 同社の担当者に話を聞いた。

「子どもたちのささやかな楽しみに少しでも貢献できれば」

ーー今回の無償提供に踏み切った理由について改めて教えて?

私たちは普段、 子ども向けアプリ教材の開発、子どもたちへの毎週の授業実施などに携わってきました。そうしたこともあり、今回の新型コロナウイルスの影響で、多くの子どもたちがイベントに行けなくなったりする中、「なにか私たちにできることがないか?」と数日前から検討を重ねていました。

そこで安倍首相の要請が出され、「これは急がなくては」と今回の発表に至った形です。親御さんたちが「家に子どもがいる状況で、何をさせたらいいのか…」と不安を抱える状況で、「シンクシンク」を通じて、自宅待機をせざるを得ない子どもたちのささやかな楽しみ、家庭学習に少しでも貢献できれば、と考えていました。


ーー発表後、何か具体的なリアクションはあった?

3月1日から無償提供の開始となるため、はっきりとしたアクションはまだ確認できておりません。

ただ、今回の発表に対する反響の中で、「神対応!」「この件ですごくファンになりました」などというお声をいただいて、すごくやりがいを得たと同時に、うれしさを覚えました。

ーーアプリの無償提供期間が終了した後も、新型コロナウイルスが蔓延していた際、引き続きの対応を考えている?

現在、アプリの無償提供のみならず、問題集の無償ダウンロードや、オンライン上での授業実施などを考えております。企業としてのバランスも考慮しつつ、その時その時でできる限りのことをさせていただければ、と思います。

(画像はイメージ)


新型コロナウイルスの影響で休校となった子どもたちに向けた、無償提供の試みはワンダーラボだけではない。

NPO法人eboard(イーボード)も、休校となった学校、および休校となった学校に在籍する不登校児童・生徒が通うフリースクールなどの民間教育施設に対して、オンライン学習教材「eboard」とその利用に関するオンライン研修を無償で提供すると発表した。 提供期間は「休校期間とその終了後1週間」で、ただし公立学校については、要望に応じて継続利用が可能だという。

休校による自宅待機を余儀なくされた子どもたちが、少しでも有意義な時間を過ごせるようにこうしたサービスでの支援も考えていかなければならないだろう。

(画像提供:ワンダーラボ)