「即位礼正殿の儀」の直後から話題に
10月22日、天皇陛下が即位を国内外に宣言される「即位礼正殿の儀」が正殿・松の間で行われた。天皇陛下は、180以上の国や地域の要人が見守る中、おことばを述べられた。
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当日はあいにくの空模様だったが、正殿の儀が行われる直前に雨があがり、虹が架かるなど神秘的な出来事が起きたことも話題となった。延期された「祝賀御列の儀」は11月10日に行われる。
そんな中、即位礼正殿の儀の両陛下の装束姿にそっくりな人形が話題となっている。

実際の儀式の画像と比べても、天皇陛下のみが着用される装束の黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)や皇后さまの十二単など忠実に再現されているように見える。
そして、「令和即位の礼 記念人形」と題したこの人形が注目されたのはクオリティだけではない。
10月22日の儀式から間もなくネット上でこの画像を見つけたユーザーがそのスピード感に驚き、話題となったのだ。

この人形を作ったのは、これまでにも皇室行事を人形で再現している愛知県碧南市にある株式会社天鳳堂。
販売は2020年6月30日までの期間限定品で、初回生産分は300セットのみとなっていて、完売した後は、受注生産となる予定だという。

それにしても即位礼正殿の儀からとても短い期間でこんな精巧な人形を作ることが出来るのか?株式会社天鳳堂の担当者に聞いた。
人形を作り始めたのは約1年前から
ーーなぜ作ろうと思った?
人形を作ることによって日本文化を継承してきたいと考えたからです。
ーー人形作りは即位礼正殿の儀を見てから始めた?
天鳳堂のHPにも人形の画像は10月15日から掲載されていますが、実はこの人形は平成に天皇が即位された時の人形で今回の即位礼正殿の儀の人形ではありません。人形はまだ完成していない状態で11月末頃に完成する予定です。
人形を作り始めたのは天皇譲位が決まった約1年前からで、皇后陛下は即位礼正殿の儀を見て織物から再現します。
ーー事前に情報はどこから教えてもらった?
基本的に変わらない部分はインターネット・TV・新聞などを見て確認致しました。
ーーどなたが制作した?
平安天鳳 社長・足達孝篤です。
ーー制作手順を教えて?
有職織物を裁断し、縫製したものを着せ付けして、振り付けします。

約1年前から作り始めてはいたが、驚くべきスピード感のワケは、ホームページに掲載した写真は上皇ご夫妻の時のものだったということだった。確かに天鳳堂のホームページを見ると、「十二単は、10月22日の即位礼での皇后陛下のお召し物と同じ色柄の織物を、京都の老舗織元にて製作中です。」と書いてあった。
また、今回、正殿の儀で陛下が立たれた「高御座(たかみくら)」の中にLEDライトによる照明があたり、参列者から陛下のお顔が良く見えるようにという工夫がされていたが、天鳳堂のホームページにも「飾り台の内部下段には、お人形がよく見えるようLED電球が配置されています。」と書いてある。
製作のこだわりについても聞いた。
本物を忠実に再現することにこだわった
ーーこだわった部分を教えて下さい
いかに本物に忠実に作るかというところにこだわりました。
ーーLED電球を配置しているのも教えてもらった?
知らなかったです。
ーー制作する上での苦労は?
本物に忠実に作るために3回手直しをして作り上げたことです。
ーー10月22日の正殿の儀を見た感想は?
30年ぶりに見て感動しました。
ーー儀式を見て修正点はどのくらいある?
直した部分は無かったです。事前に作れる部分は作っておいて映像を見ないと分からないものはその時に作りました。
高御座・人形の完成度が高いと大好評でした

ーー皇室人形はいつから作っている?
約30年前からです。
ーーどんな人に買ってほしい?
天皇・皇室を愛し、尊敬している方に買って頂きたいです。
ーー現在何セット残っている?
初回分は完売しました。現在は追加生産中です。納品は2020年の1月20日以降になります。
ーー反響はあった?
高御座・人形の完成度が高いと大好評でした。
ちなみに職人のこだわりが詰まった「令和即位の礼 記念人形」の価格は、ケース入り30万円(税別)・ケースなし27万円(税別)と2種類。どんな精巧な人形ができあがるか楽しみだ。
