ポイント還元が大好きなユーザーは、「マイナポイント」をもらうための準備はしているだろうか?
「マイナポイント」とは、マイナンバーカードを活用し、一定額を前払い(チャージ)などした人に国がポイントを付与するというもの。
現在は、10月の消費税率引き上げにともない、キャッシュレス決済時のポイント還元を国が支援しているが、これは2020年6月で終わりとなる。
その次に始まるのが「マイナポイント」だ。
政府が新たなポイント還元制度を発表し、2020年9月から2021年3月までの7か月間、最大2万円のキャッシュレス利用に対し25%にあたる5,000円分のポイントを還元する方針だという。
しかし「マイナポイント」は、現在のキャッシュレス・ポイント還元と違って、事前に準備しておかなければもらえないのだ。
「マイナポイント」をもらうまでの道のり
まずはマイナンバーカードを取得することが必須だ。
総務省によると、11月18日時点でマイナンバーカードの交付率は約14.4%。
早くもこの時点でつまづくかもしれないが、登山に例えればまだ山の最寄り駅に着いたようなもの。
取得したら、次はマイナンバーカードに「マイキーID」を登録する手続きだ。
そもそもマイナンバーカードは、「利用者証明用電子証明書」などのために数字または英数字からなるパスワードを、任意で4種類設定することができる。
これに加えて英数8桁の「マイキーID」と、それに対応するパスワードが発行されるので、混乱しないように気を付けよう。
まず、「マイキーID」を登録するためにはパソコンかスマホが必須となる。
パソコンは、Internet Explorer 11がインストールされたWindowsパソコン+公的個人認証サービスに対応したリーダーライターが絶対必要。
スマホの場合も、公的個人認証サービスに対応していることが絶対条件で、現在対応している機種はandroidの一部に限られる。
そして、パソコンかスマホに必要なアプリをインストールしたら、手続きも大詰めだ。
まずは、パソコンなら専用サイト、スマホなら専用アプリの「マイキープラットフォーム」を開いて、マイナンバーカードを読み取らせる。
そこで前述した「利用者証明用電子証明書(パスワード)」を入力すれば、「マイキーID」と「パスワード」が表示され、自動的にマイナンバーカードに登録されるのだ。
以前作った「利用者証明用電子証明書」をすっかり忘れて準備がパアになった筆者のようにならないよう気を付けてほしい。
そして、肝心の「マイナポイント」は1つの決済サービスを事前に選んで受け取ることになる。
ネット上の「マイナポイント申込みページ」か、スマホの「QR決済アプリ」に、「マイキーID」と「パスワード」を入力し、実際に買い物かチャージをすることで、めでたくポイントが付与される。
こうすることで、ついに5,000円分のポイントをゲットできるのだ。
ちなみに公式サイトによると、一部の自治体では「マイキーID」の作成・登録ができるコーナーを設けている場合もあるという。
現在は、スマホの対応機種が限定されていて「なんだか大変そうだな」と思った人もいるだろうが、総務省の公式パンフレットには「スマホでカンタン!」と書かれている。
「1」の形になった目や耳で「1人に1つ」を表したシロウサギの妖精だという広報キャラの「マイナちゃん」が活躍するマンガの手順は確かに簡単そうではある。
ちなみに、マイナンバーカードは0歳でも取得が可能。また、「利用者証明用電子証明書」を忘れた場合は、役所などですみやかに新たな内容に上書きすることが可能だという。
来年9月の実施までにはスマホの対応機種も増えて本当に「スマホでカンタン!」となるのだろうか?それでも、パソコンやスマホを扱い慣れていない高齢者などにはちょっと複雑に思えるが自治体の支援も充実するのだろうか?
総務省の担当者に聞いてみた。
担当者「私のスマホも非対応です」
――なぜiPhoneや、パソコンのMacでできないの?
年末からできるようになります。
マイキーIDを確認する「マイキープラットホーム」というシステムに対応したブラウザが、今現在はInternetExplorer11に限られた状態ですが、12月からはsafariに対応し、来年の3月にはedge、chromeにも対応する予定です。
――androidも一部機種だけなのはなぜ?
マイナンバーカードが読み取れない機種の場合は無理です。
私のスマホもそうなんですが…。
――役所とか自治体で設定してくれないの?
自治体に「設定の支援」を協力していただけないか、お願いをしています。
私たちとしては財政支援という形で補助金を用意していて、それを使って準備を進めている自治体もあれば、まだこれからというところもあります。
――「設定の支援」ということは…設定は結局自分でやるの?
マイナンバーカードは個人情報にあたるものですから、役所の人などが見てしまうのはどうしても良くないというわけです。
ですので「カードリーダーライターをセットしてください」とか、「マイナンバーカードをここにかざしてください」とか、「IDが出てきたらメモしてください」とかそういったところを支援します。
マイナンバーカードは自治体が交付するものですから、受け取りと一緒にIDを設定する流れを作ることも含めて、自治体で支援していただけないかと、お願いしているところです
スマホもPCもなく、自治体も対応できない場合は?
――スマホもPCも自治体も対応してなかったらどうすればいい?
自治体の例を申し上げましたが、民間の事業者の中でもマイキーIDの設定支援に協力する動きがあります。
この制度について議論する官民連携タスクフォースの「マイキーID設定推進ワーキンググループ」では、キャッシュレス事業者から「設定についてなにかしら支援をすることも考えている」というご意見が出ています。
――公式サイトでクレジットカードに触れてないが、使えないの?
官民連携タスクフォースにはクレジットカード事業者も参加していますが、「今回の制度に加わるのは難しい」という意見が出ています。
ただ、○○ペイなどにチャージするときクレジットカードを使うこともあるので、そういったところで「マイナポイント」の仕組みに参加していくことも考えられるのではないかという意見も出ています。
いずれにしても詳細はこれから決めていくことになります。
――「マイキーID」や「パスワード」を忘れたら?
「マイキーID」と「パスワード」は、マイキープラットフォームにログインしてマイナンバーカードをカードリーダーライターにかざすと表示されます。
また後から変更することも可能です。
※マイキープラットフォームへのログインは「利用者証明用電子証明書」が必要。「利用者証明用電子証明書」を忘れた場合は、住所地の市区町村窓口で初期化したうえで新しい番号を設定できるという。
――○○ペイを使ったら、○○ペイの還元サービスとマイナポイント、両方の恩恵を受けられる?
それは私たちの関知できないところです。
iphoneは年末から対応するというのは一安心だが、皆が取得できるようになるには、そのほかの対応していない機種のスマホユーザーや高齢者などにとっては、現状ではもっと設定支援が必要な状況に思える。
マイナンバーカードがこのポイント還元制度で本当に普及するのかわからないが、「マイナポイント」導入の時期が近づくとマイナンバーカードの申請が混み合い、通常なら約1ヶ月で発行できるところがもっと時間がかかるかもしれないということなので、申請はお早めに。