高齢ドライバーに運転技能検査を導入

2019年4月に東京・池袋で母親と3歳の娘が犠牲となった当時87歳の高齢ドライバーによる死亡事故など、高齢ドライバーの事故が各地で相次いでいる。

こうした中、違反・事故歴のある高齢ドライバーに運転技能検査の導入を検討することが12月20日に明らかになった。
警察庁の有識者会議が、中間報告としてまとめた。もし実施されれば、免許の更新が認められない可能性もある。

こうした動きに高齢ドライバーは…

男性ドライバー(76):
いつまでも免許証がないと困ります。田舎だから。

そこできょうは“運転技能検査”で免許更新認めず?今後、高齢ドライバーはどうなる?に迫る。

今後事故を起こすリスクが特に高い人が対象

運転技能検査が実施された場合、想定されている対象者は75歳以上、あるいは80歳以上のドライバーだ。
その中で、過去3年程度を目安に、信号無視や大幅なスピード違反など、今後事故を起こすリスクが特に高い人が運転技能検査の対象となり、運転免許試験場や教習所などで運転技能検査を受けることになる。

運転技能検査で、何度も信号無視を繰り返すなど、運転技能が著しく不十分だと判断されると、免許の更新を認めないとしている。
一方、運転技能検査は免許の更新期限までは何度でも受けることが可能だ。

運転技能検査導入について街の人は…

運転技能検査導入について高齢ドライバーは…

――運転免許更新ができないというふうになるかもしれませんが…

男性ドライバー(80):
その方がいいんだよ。

――運転技能検査に合格する自信はありますか?

男性ドライバー(80):
あります!

運転技能検査に合格する自信があるという人もいる一方で…

男性ドライバー(75):
バックとかも、車庫入れとか下手です。あんまり難しいことはできないです。。

女性ドライバー(71):
どんな技能検査をされるのか?それが不安です。

街の人から聞こえてきたのは、まだ詳細が出ていない運転技能検査の中身への不安だった。
60歳以上の高齢ドライバー30人に対して運転技能検査に合格する自信があるか尋ねたところ、約3分の1の9人が「自信がない」と回答した。

高齢者ドライバーの無免許運転など新たな問題が発生する恐れも

また、地方で暮らす高齢ドライバーからは、こんな戸惑いの声も…。

女性ドライバー(73):
買い物に行くときに重いものを持つので車が必要です。

男性ドライバー(67):
田舎なので車がないと生活できないと思いますよ。周りは田んぼしかない。

さらに、地方での問題について専門家が指摘した。

高齢者の運転特性に詳しい 伊藤安海氏:
実際に地方では70代、80代のドライバーの方が、運転手よりも高齢の90代以上の親族の方々をドライバーとして支えているという現状がありますので、彼らが免許を更新できないということになりますと、高齢ドライバーの無免許運転などの問題が発生する恐れがあります。

高齢者の免許更新のハードルを上げることで新たな問題が生じる可能性があるという。

こうした事情も踏まえてか、今回の中間報告の中には自動ブレーキ機能などの安全機能を備えた“サポートカー”に運転を限定するという免許制度の導入も盛り込まれている。

違反がない人が安全な人とは限らない

その一方で、運転技能検査の対象者が過去の違反歴などで絞り込まれるという点については懸念もあると専門家は指摘する。

高齢者の運転特性に詳しい 伊藤安海氏:
今違反がない人は検査をしなくていいというのは、ちょっと危険かなっていう気がします。
例えば家から畑までしか運転しないだとか、違反する機会が少ない方っていうのもいるので、違反歴がない人=安全な人とも言い切れない。
そういった方々も検査する必要があると思います。

運転技能検査についての詳細は明らかになっていないが、警察庁は中間報告の内容を踏まえて、道路交通法の改正案を年明けの通常国会に提出する見通しだ。

(「めざましテレビ」12月20日放送分より)