「名前がすごい」と話題の新潟県”胎内市”

台風10号の影響でフェーン現象が発生し、15日は日本海側を中心に気温が上昇。
新潟県“胎内市”では最高気温40.7℃を記録し、今年全国で最も暑くなった。

新潟市の北東に位置する人口約2万9000人の胎内市だが、猛暑を伝えるこのニュースを受け、注目が集まったのが“胎内市”という市名。
Twitter上では「名前がすごい」「なぜこんな名前にしたのかよく分からない」などと、市名のインパクトの強さへの感想や、由来を知りたがる書き込みが多く見受けられる。

一体なぜ、このような名前、このような漢字にしたのか?
新潟県胎内市の担当者に市名の由来を聞いた。

新たな市が誕生する際、公募で決まった

――「胎内市」という市名の由来は?

2005年9月に中条町と黒川村の合併によって、新たな市が誕生する際、公募によって決定しました。


――公募で胎内市が決まった理由は?

中条町と黒川村を流れる“胎内川”は自然を育み、地域の産業にかかせない存在であり、地域の象徴です。
また、合併前から「胎内スキー場」や「ロイヤル胎内パークホテル」などもあり、“胎内”という言葉が認知されていたからです。

胎内川の由来には3つの説がある

――胎内市の基になった「胎内川」の名前の由来は?

胎内川の由来については、大きく3つの説があります。

1つめは「鯛の川説」。
昔は飯豊の山に「タイガシラ」が現れると、田植えを始めたといいます。
残雪の形が魚の鯛の頭に似ていることから、「タイガシラ」と呼び、ここから流れ出る川が「鯛の川」⇒「胎内川」となったといいます。

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2つめは「体の無い川説」。
江戸時代の絵図に「胎内(たいな)川 又(また)躰無川とも書く」「並槻から下、地本村まで炎天下には川水無し」と書かれ、昔から胎内川が炎天下に地下に潜ることが知られ、「体の無い川」が「胎内川」となったといいます。

3つめは「アイヌ語説」。
「タイ・ナイ」という言葉がアイヌの言葉で森や土、沢や川などを表すことから「タイ・ナイ」⇒「胎内川」となったというものです。

現在、この3つの説の中で有力なのは、1つめの「鯛の川説」と、2つめの「体の無い川説」と言えます。


胎内市の担当者に「市名に関する問い合わせがきているか」尋ねたところ、「昨年8月23日にも全国一になったが、市名の由来に関する直接の問い合わせはきていない。皆さんネットで検索したりして、自己完結しているのではないか」と話していた。

プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。