悪質なあおり運転が社会問題となっている中、SNS上で注目を集めているサイトがある。
それが、迷惑運転した車両のナンバーを投稿できる「Number Data(ナンバーデータ)」だ。

迷惑運転抑止を目的に、「迷惑車両のナンバー」「発生日・場所」「被害状況」などを投稿し、共有するサイトで、投稿数は1万3千件を超えているという。
つい先日からは、情報の信憑性を高めるため動画ありの投稿のみを受け付けている。

車両のナンバーを公開することについては、総務省の見解では「ナンバープレートの情報は個人情報には該当しない」とされているが、弁護士をまじえて法律面で整備されたサイトを目指しているという。

それでは、ナンバーデータはどれほど迷惑運転抑止につながっているのか?
今後の展開なども含めて、ナンバーデータの運営者のAさんに詳しく話を聞いてみた。

ナンバーデータ
ナンバーデータ
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あおり運転暴行事件後の投稿「かなりの数増えています」

――8月10日に起きた常磐道でのあおり運転暴行事件の前後で投稿数はどれくらい変わった?

かなりの数、増えています。アクセスが集中しすぎて、サイトがダウンする状況になりました。
これまで、1日の投稿数が20~30件だったのですが、あの事件以降、毎日500件ほど送られてきます。
現在は、投稿は動画ありのものだけに絞ったため、そこまで多くはありませんが。

――今はどのくらいの投稿がある?

動画のみにしましたが、1日20件ほどの投稿があります。

――なぜ“動画投稿”のみだけにした?

信憑性を高めるためです。
1日20件の投稿でも十分紹介できる量かと思います。

また、先週、500件ほど投稿がありましたが、イタズラや交通に関係ないもの、特定の相手に対する執拗な投稿などが多く、掲載できるのはその中の1割程度でした。

――自身のサイトが脚光を浴びていることについてどう思う?

サイトについて、賛否いただいていますが、注目いただいたことで、反対意見もありますが、賛成意見や動画付きの投稿が数十件増えています。
信憑性の高い情報をいかに紹介できるかがサイトの運営者として求められていると思います。

サイトを見て反省するドライバーもいる

――そもそもなぜこのサイトを作ろうと思ったのか?

SNSやインターネットの投稿掲示板などで個人個人で迷惑運転について投稿しているものをみかけましたが、どうしても情報が埋もれてしまいます。
情報として1か所に集める投稿の場所ができないかと思い、このサイトを作りました。

決して、特定の車をさらしあげるためにやろうとは思っていません。
迷惑運転したドライバーからの削除依頼は常に受け付けています。迷惑運転がそのドライバーに伝わり、ドライバーから削除依頼が出されれば、すぐに投稿は削除されます。

――サイトを見て、改心するドライバーはいる?

ある交差点で信号無視したドライバーさんが、投稿を見て、今後、同じ交差点を通る時、気を付けるようにしますといったコメントをいただいたこともありました。

すべてのドライバーが反省しているわけではありませんが、一部のドライバーにとっては安全運転のきっかけにはなっているかと思います。

――データを持っていても危険な車に遭遇してしまう可能性はあるが、より未然に防ぐために、今後どういった展開を考えている?

警察、行政などから“データ利用させて欲しい”“動画提供して欲しい”などと言われたら全面的に協力していきたいです。

新たに「あおり運転罪」が検討される動きがあるなど迷惑運転の防止に向けてさまざまな対策が練られる中、このサイトもその取り組みの1つではあるが、このデータをどう活用するかが今後の課題と言えそうだ。

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。