文化の向上発達に顕著な功績がある人に贈られる文化功労者に、今年度宮崎県から歌人の伊藤一彦さん83歳が選ばれました。
長年にわたり短歌の創作や、若山牧水の研究などに力を注いできた伊藤さん。
これまでの歩みと今後の短歌文化への思いを聞きました。
「月光の訛りて降るとわれいへど誰も誰も信じてくれぬ」
これは「青の風土記」に収められた伊藤さんの思い入れのある一首で、土地の風土や心で月の光の見え方も変わるため、宮崎の人にしか味わえないものがあることを詠んだ歌です。
伊藤さんは学生時代に短歌に興味を持ち大学卒業後、宮崎に戻った後も高校などで教鞭を取りながら創作活動を続けました。
今年、出版した第17歌集「歌の小舟」のタイトルにはこんな思いが。
(歌人・伊藤一彦さん)
「1300年前の五・七・五・七・七が今日も生きていて」
「(短歌は)日本人の魂を乗せてきた小舟だという気持ちがあります」
伊藤さんは2008年に歌集「微笑の空」で短歌の世界で最も権威があるとされる迢空賞を受賞。
また若山牧水研究の第一人者としても知られており、牧水が残した短歌を収録した全歌集をまとめ、去年、県民栄誉賞を受賞しました。
(歌人・伊藤一彦さん)
「日本語と五・七・五・七・七が歌を作らせてくれる」
「宮崎の自然というものをもっともっと学びたいですし、牧水の根底にあるのも宮崎の自然だと思います」
伊藤さんは、短歌文化継承のため若山牧水賞や高校生を対象とした牧水・短歌甲子園などの立ち上げにも尽力しました。
短歌とともに歩んできた半生、伊藤さんがこれからの短歌文化に願うことは。
(歌人・伊藤一彦さん)
「宮崎の人が一人でも多く歌を作ってほしいです。僕自身が歌を作ってきて幸福だなと思うし、歌の仲間同士が語り合うことをやれたらなと思います」
文化功労者の顕彰式は11月4日に東京で行われます。
