漫画界の巨匠が熊本に寄せた思いです。スポーツ漫画の名作として知られる『あしたのジョー』など様々なヒット作を手がけたちばてつやさん。今月22日に亡くなりました。ちばさんは10年前と今回の熊本地震でも被災地に様々な支援の手を差し伸べていました。
【漫画家ちばてつやさん】「日本中の都会が焼け野原で、日本人たちはみんな貧乏で、なんにもないところから立ち上がっていった時代を少年時代を過ごしているので」「思い起こしながら少しずつ描き残していきたい。自分の記憶が消える前に」
ボクシング漫画の金字塔『あしたのジョー』などで知られる漫画家のちばてつやさん。今月22日、東京都内の病院で亡くなりました。87歳でした。ちばさんは熊本をはじめ、全国の被災地へ様々な支援を行ってきました。
【西村勇気アナ・リポート】
「熊本地震に心を寄せる漫画家たちの思いがこもったイラストが熊本県庁に残されています」『巨人の星』に『ダイヤのA』『はじめの一歩』。最前列では『あしたのジョー』の矢吹丈が澄んだ瞳を輝かせています。
2016年、震度7に襲われた熊本を元気づけようと週刊少年マガジンの漫画家たちが一致団結。ちばさんも協力し、くまモンを励まし、見上げるような構図を仕上げました。
また、2017年には、高森町に拠点を持つ出版社『コアミックス』がふるさと復興を目指し開いた『熊本国際漫画祭』にも賛同。熊本を励ます色紙を特別に執筆し、多くの人に見てもらえるよう寄贈しました。
さらに、ちばさんはことし、熊本が再び激震に見舞われたと知るとすぐさまブログを更新します。
「家を失った人のために住む場所を提供したい」とクラウドファンディングに乗り出しました。テント生地を膨らませ、内側に断熱材を吹き付ける「インスタントハウス」を熊本に届けるため『力をお貸しください』と呼びかけていました。
【名古屋工業大学 北川啓介教授】「今ここも見守ってくださっているだろうなと思いながら空を見上げたりしておりました」
インスタントハウスを開発した名古屋工業大学の北川啓介教授です。能登半島地震を契機にちばさんと親交を持ち、協力関係を築いてきました。ちばさんの訃報は熊本での支援活動中に聞いたといいます。
【名古屋工業大学北川啓介教授】「(戦後に)満州から戻ってきて、住む家を失う心細さとか、もしくは帰る場所があるありがたさ。『ただいま』と言える心の余裕が持てるようにというお気持ちをうかがっておりましたので」
「それを私も受け継いで、いま一心に家をお届けしているところです」
作品を通して「何度でも立ち上がる勇気」を教えられたと語る北川教授。
ちばさんの遺志を継ぎ、被災者が安心してあしたへ向かうことができるようインスタントハウスの建設を続けていくということです。
