震災・原発事故から15年あまり…本格操業に向けた新たな動き。福島県漁連は原発事故後に自粛してきた操業海域について、来年1月から縮小することを10月29日正式決定した。
■「操業自粛海域」の縮小を正式決定
「賛成の方は挙手にてお願いします。いかがですか」
29日いわき市で行われた福島県漁連の組合長会議。これまで自粛していた操業海域について、現在の福島第一原子力発電所の半径10キロ圏内から半径7キロ圏内に縮小することを正式に決定した。
福島県漁業協同組合連合会の野崎哲代表理事会長は「ドラスティックに変えるというよりは慎重に我々やってるんだということを消費者にも御理解いただくという意味でもこの結果(3キロ縮小)になったのかなと思っております」と語る。(※崎は正しくは立さき)
■原発事故後の試験操業
2012年に魚種などを制限して始まった試験操業。県漁連は国よりも厳しい基準値を設け、放射性物質の検査を行い安全性を確認してした。
福島第一原子力発電所近くの海域では、半径20キロ圏内で操業を自粛し、2017年にはその範囲を半径10キロ圏内に縮小。放射性物質による魚への影響が極めて小さくなっていることなどから今回、半径7キロ圏内への縮小に踏み切った。
いわき市の漁業者は…「たぶん漁業の関係者みんな活性化していくと思うんで、本格操業に向けていいことだと思います。これからもいろんな魚一杯とって常磐ものみなさんにアピールしたいなと思っています」と話す。
■本格操業へ向け
2021年、試験操業期間を終え、現在は「本格操業に向けた移行期間」として操業。2025年は震災後最多となる7212トンの水揚げとなったが、震災前の3割にとどまっている。
■相馬双葉漁協の強い要望
約10年ぶりとなる海域の見直し。背景には相馬双葉漁協の強い要望があった。
相馬双葉漁業協同組合の今野智光組合長は「今回の7キロという設定に関しては、少しずつ震災後初めての海域で操業するもんで、検査等しっかりやりながらっていうのが大前提でありますので、それを踏まえて消費者に理解してもらうということが一番の目的でございますので」と話す。
■震災前の漁場に
福島第一原発から半径7キロ地点近くにある相双漁協請戸地区の漁業者にとって、今回の海域は震災前に漁を行っていた場所。マダコやシラウオなどが獲れた漁場で期待を寄せるが…相馬双葉漁業協同組合請戸地区代表の石川康夫さんは「まあ率直に嬉しいとは思ってます。でも請戸富岡の漁業者としては、もう少し自粛海域を狭めて欲しいと、それが最大の要望」と話す。
原発事故から15年。本格操業に向けた操業自粛海域の縮小は、2027年1月から適用される。
