物価高が続く中、岐阜市の柳ヶ瀬商店街に、鶏皮重が500円で味わえる食堂があります。ワンコインを実現する工夫と、35年ぶりに地元へ戻った店主の思いに迫ります。
■タケノコご飯と鶏皮の看板メニュー
岐阜市の柳ヶ瀬商店街に2026年8月にオープンした「まかない食房 いまう」。看板メニューは、「鶏皮重 タレ 並盛」(500円)です。
タケノコの炊き込みご飯のお重に、醤油ベースの特製甘辛ダレを絡めた鶏皮とネギをのせた一品です。

客:
「鶏皮が香ばしくて、味付けも抜群でおいしい」
別の客:
「鶏皮は脂っこいイメージがありますが、すごくあっさりしています」
ほかにも、岩塩と山椒を合わせた「皮重 塩 並盛」(500円)や、醤油ベースのタレにニンニクと生姜を使った「豚重 タレ 並盛」(600円)も人気です。

客:
「すごくお値打ちでビックリです。今日で3回目です」
別の客:
「白いご飯ではなく、タケノコご飯がうれしいです」
■柳ヶ瀬への思いとワンコインへのこだわり
営業はランチのみ。昼の安いメニューで集客し、夜の酒やコース料理で利益を補うスタイルではありません。そこには、店主のこれまでの経歴と、地元・柳ヶ瀬への思いがありました。
店主:
「もともとは柳ヶ瀬の人でした。関東で着物の和装学校やっていまして、この4月に岐阜に戻ってきました」

店主の前職は和装学院のオーナー。東京で着付けなどを教えるスクールを経営していましたが、還暦をきっかけに勇退。35年ぶりに地元へ戻ってきたといいます。
店主:
「40〜50年前の柳ヶ瀬はすごい人出でした。母がいつもワンピースを着て綺麗な格好で柳ヶ瀬に行っていました。柳ヶ瀬には思い入れがあり、ここで商売をやりたいとずっと思っていました」
子どもの頃に憧れた柳ヶ瀬商店街で店を開くことが、長年の夢だったといいます。

店主:
「柳ヶ瀬はずいぶん変わったけど、この辺りの人たちに安い値段で食べてもらいたい。ワンコインならお昼の負担にならないと思って、最初からワンコインでいこうと決めていました」
ふるさとの人たちに喜んでもらいたい。その思いから、ワンコインで食べられる店にしたといいます。
■セルフサービスと食材を絞る工夫
この価格を維持するため、店ではさまざまな工夫をしています。
店主:
「食券購入後に、お水とおしぼりを各自で持って席についていただくシステム」
ほぼワンオペで営業しているため、基本はセルフサービス。料理の受け取りや、片付けを客に協力してもらうことで、人件費を抑えています。

さらに、食材にも工夫があるといいます。
店主:
「普通のレストランだといろいろなメニューを作って多くの食材が必要になるけど、この店では食材を限定して絞っています」
メニューは「鶏皮重」と「豚重」のみ。使う食材を限定することで、フードロスを極力減らし、コストを抑えた分を価格に反映できるといいます。

