初めて取材に応じた元幹部
発言の主は、本当に松本元死刑囚の次男なのか。
私たちは今回入手した音声についても、専門家に声紋鑑定を依頼。今回の音声と、去年入手した音声の主が同じか比較。その結果、同一人物の音声と推定した。
そして、公安調査庁が「資産隠し」と指摘するオウムの関連企業の報告については-。
次男:
報告出すってのは、相手に屈服するってことなんですよ!この切迫した状況わかってる?明日提出日だよ!

支援機構への不払いに言及し、公安調査庁への対応を具体的に指示する肉声。私たちは、こうした次男の教団支配の実態を、最もよく知るという人物に接触し、重大な証言を得ることができた。
向かったのは、関西地方。
記者を迎え入れた、この男性は長年、アレフの最高幹部を務めてきたが、去年脱会したという。草木に覆われた広い敷地を、玄関まで歩いて行く。

以前は教団の施設だったこの民家に、一緒に脱会した元信者ら数人と暮らしているという。灯籠の中には、侵入者を警戒する監視カメラもあった。

長年、次男を支えてきたという男性。今回、交渉の末、はじめて報道機関の取材に応じた。
元幹部の男性:
鶏なんてね、3年したらいきなり死ぬの。だから、残りの人生を、もうこんな次男とかオウムとかね、そんな費やせるわけないじゃない。
教団を離れたが、この建物には今も、教団との緊張関係を物語るものが残されていた。

共有スペースに、男性が貼ったこんな貼り紙が――。
元幹部の男性:
「出ていけ」って言ってから、盗聴器を仕掛けてるのが分かったんですよ。みんなに周知させて、見つけたら警察に連絡するようにっていうことで。

家屋の2階にあがると、個室が。現在もアレフの信者が私物を置いて、鍵も管理しているということで、男性は「教団に監視されている」として、立ち退きを求める裁判を起こしている。
「やってることめちゃくちゃ」
長年、最高幹部の立場にいた、この男性。松本元死刑囚の妻に頼まれ、次男が二十歳のころから支えてきたものの、その振る舞いに嫌気が差したという。
元幹部の男性:
実際もう、やってることめちゃくちゃですからね。麻原(彰晃)に怒られても嫌な気分になったことないんですよ。もう次男は敵のように攻撃してくるんですよ。

最高幹部の立場も名ばかりで、実権はなかったと話す。
元幹部の男性:
最高幹部といっても、傀儡ですよ。単に言ったことを伝えているロボットみたいな。
男性によると、次男の方針に従えない幹部たちは、次々と教団を離れているという。

さらに実質的な賠償金の支払い停止については――。
元幹部の男性:
被害者の賠償しないっていう。よくよく言うのは「屈するな」。公安調査庁が言ってきたことに屈しない、支援機構が払えって言っても屈しない。
(オウム真理教が)やったことがひどすぎるからね、当然、心から謝罪して。当然、誠意はね、見せるべきだと思うし。

