世界の軍隊が熱視線を送るeスポーツ。
背景には、変わりゆく兵士像がありました。
イギリス北東部・サンダーランドの会場で行われていたのは、日本やイギリス、アメリカなど、10カ国が参加した「eスポーツ」の国際大会です。
銃撃戦や、車を使ったサッカー、自動車レース、さらにドローンの操縦を競う4種目が行われました。
マウスとキーボードを駆使して戦う様子は、まさにプロゲーマー。
ただ、選手たちの“本業”は、各国の軍人たちです。
10月、軍関係者のみで行われた「第1回 国際防衛eスポーツ大会(IDEG26)」。
日本からは自衛隊チームが出場しました。
対戦相手は、優勝候補のフランスです。
仲間と情報を共有しながら敵の位置を探りますが、フランスチームが勝利し、日本は惜しくも初戦敗退となってしまいました。
日本代表として出場した自衛隊員:
非常に強かった。練習時間や練習量の違いを非常に感じました。各国のチームにはプロゲーマーやセミプロレベル、元プロのゲーマーの方々もいま軍人として参加している。
国際大会を主導したイギリスは、2024年「eスポーツ」を軍の正式なスポーツに認定。
大会で磨く判断力やチームの連携を、軍の任務にも。
ドローン操縦にもつながるゲームの技能に注目し、“若い人材”と“軍をつなぐ”機会としても期待しています。
さらに空母「プリンス・オブ・ウェールズ」にも、ゲーム専用ルームが作られるなど、政府が資金面でも支援。
ゲームで培う能力が、変わりゆく戦場で力を発揮すると期待しているからです。
イギリス軍 eスポーツ大会 BFBS主催者 アダム・ウォーターズ氏:
イギリス軍はロシアのウクライナ侵攻を通じて、ドローン操作に必要なスキルを持つ人材の採用がいかに重要かを実感したと思う。
ロシアの侵攻が続くウクライナ。
その最前線のドネツク州でも、ドローンを使った戦闘が行われていました。
小屋にこもる兵士たちの手元には、ゲームで使うようなコントローラーが。
ゴーグルを付け、画面を見ながらドローンを操り、偵察や攻撃に使っています。
ウクライナ国防省によりますと、2025年、軍に供給されたドローンは少なくとも300万機。
戦場で大きな役割を担っています。
大会では、仮想空間でドローンを飛ばし、速さを競う種目も。
戦場と同じように、画面を見ながら機体を操ります。
コントローラーは戦場で使われているものと、ほぼ同じです。
ウクライナでは、ドローンの操縦を目指す兵士は、最低2週間の訓練を受けるといいます。
仮想空間でドローンの操縦を学んでから、実機の訓練へ。
操縦士の裾野(すその)を広げることが、国を守る力になると考えています。
ウクライナ技術スポーツ連盟会長 アルトゥル・ブリヒン氏:
いつでもドローンを操縦できる市民が何十万人もいれば、その国は近い将来、攻撃されることはないだろうという認識もあります。
ゲームで培った力を、国を守る力へ。
現代の戦い方が変わる中、各国が、その可能性を探っています。
