「汚れがひどいから、重曹を多めに入れよう」。そう考える方もいらっしゃるかもしれません。
でも、重曹水は濃くすればするほど洗浄力が上がるわけではありません。
重曹を増やしたからといって、洗浄力が比例して高くなるわけではないのです。
それどころか、濃い重曹水を使うと、掃除したあとに重曹が白く残ることがあります。
せっかく汚れを落としたのに、今度はその白い跡を落とすために、もう一度拭かなければならない。
これでは掃除の手間が増えてしまいますよね。
私が試行錯誤してたどり着いたのが、先ほど紹介した重曹水の配合です。汚れを落とすのに必要な量を考え、家庭で計量しやすく、できるだけ少ない重曹で済むように工夫しました。
日常的な軽い油汚れや皮脂汚れなら、この濃度でも十分に対応できます。洗剤を必要以上に使わないことが、実は時短掃除につながるのです。
二度拭きの手間を減らすのが時短掃除のコツ
重曹水の作り方は、インターネットや書籍でもたくさん紹介されています。
でも、私が重視しているのは、単に汚れが落ちるかどうかだけではありません。
汚れを落とした後の手間まで含めて、掃除をラクにすることです。
重曹水を使うときは、クロスに含ませてしっかり絞り、必要最小限の量で拭き取ります。
重曹の濃度が低く、使う量も少なければ、白い跡が残りにくくなります。
これなら、二度拭きの手間も減らせます。
掃除は、汚れを落とすためにするものです。洗剤をたくさん使って、さらにその洗剤を落とすための掃除が必要になるのでは、効率的とはいえません。
「洗剤は濃くするのではなく、適切な濃度で必要な量だけ使う」。
これが、私がおすすめする時短掃除の考え方です。掃除の手間を減らし、地球にも優しい掃除方法です。
重曹水が活躍するのはこんな場所
重曹水は、毎日のちょっとした汚れ落としに便利です。例えば、次のような場所です。
・キッチンの調理台やコンロ周辺の軽い油汚れ
・食卓についた食べこぼしや手アカ
・フローリングの皮脂によるベタつき
・ドアノブやスイッチ周辺の手アカ
いずれも、素材や機器の取扱説明書を確認し、重曹が使える場所に限ってください。アルミ製品や無垢材、ワックス仕上げの床など、使用に注意が必要なものもあります。
また、長期間放置して固まった頑固な油汚れには、重曹水だけでは十分に落とせない場合もあります。
大切なのは、汚れが軽いうちに掃除することです。
強い洗剤を使わなければ落とせなくなるまで、汚れをためない。
そして、毎日の掃除はできるだけ簡単に済ませる。
それが、家事をラクに続けるためのコツだと思います。
ぜひ、身近な重曹を正しく使って、毎日の掃除に役立ててみてください。
本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
北里大学衛生学部化学科(現・理学部化学科)卒業後、化学薬品企業に就職し、化学事業部にて水処理事業、化学薬品販売、合成洗剤製造などを担当。結婚を機に退職し、専業主婦として家事を担当。自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を科学的に解説する「ナチュラルクリーニング講座」をスタート。

