岡山県西部を流れる高梁川水系では10月2日から農業用水が50%カットされる「第3次取水制限」に入った。
季節に関係なく大量の水を消費する酪農家からは不安の声があがっている。
◆大量の農業用水で搾乳後の機器洗浄 50%カットは「経営そのものに大きく影響」
広島県との県境にある岡山県笠岡市。笠岡湾干拓地にある竹信牧場は、乳牛約700頭を飼育する県内最大規模の牧場だ。
竹信牧場では搾乳作業を毎日、朝・昼・夕方の3回行う。搾乳後には必ず機器を洗浄するため、大量の農業用水を使うという。
その農業用水が50%カットされるにあたり、竹信牧場の竹信友治さんは機器の洗浄ができないと出荷にも影響するという。この「渇水」という現実に直面し「酪農の維持やウシの生命にも関わる。経営そのものに大きく影響する問題」と、不安はつきない。

◆約700頭のウシもこれから”食欲の秋” 1頭が飲む水の量は1日約100リットルだが
ウシの飲み水にも農業用水が使われている。1頭が飲む水の量は1日約100リットル。
10月に入ってからは、夏場に比べてその量は減っているというが・・・ウシたちにとってもこれからの季節は「食欲の秋」。餌の量は夏場と比べて約1.5倍に膨らむというが、その餌を作るにも水が必要なのだそうだ。

◆高梁川流域6つのダムの貯水率は32.3%(10月6日午前9時現在)大幅な回復は厳しい状況
10月2日から始まった高梁川水系の第3次取水制限では、稲作で使う水の量が落ち着いたことなどから農業用水のカット率はそれまでの20%から50%に大幅に引き上げられた。
高梁川流域では5日までの2日間で約20ミリの雨が降ったものの、6つのダムの貯水率は(放送時点の)6日午前9時現在で32.3%と、平年を40ポイント以上、下回っていた。
気象台によると中国地方の向こう1カ月の降水量は平年並みか少ない見込みで、貯水率の大幅な回復は厳しい状況となっている。

◆動物は「節水」できない。どうすれば…「対策のしようがない」と頭を悩ませる流域の酪農家
季節に関係なく大量の水を消費する酪農。竹信さんによると約700頭のウシの飲み水や機器の洗浄に使う水などは減らすことができないため、現状では効果的な節水対策のしようががないという。
「人が使う分を節水するのは当たり前だが、動物が飲み水を制限するのは難しい。この先のことを考えると不安」と記者に語った竹信さん。
高梁川流域の酪農家にとっては出口の見えない渇水問題に頭を悩ます日々が続いている。
(岡山放送)

