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「質の高い海洋保護区の推進に向けた提言」最終報告を公表
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「質の高い海洋保護区の推進に向けた提言」最終報告を公表

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プレスリリース配信元:NACS-J

海をめぐる社会生態学的危機と沿岸域の将来像

●日本自然保護協会とUMINEKOサステナビリティ研究所は、2024年から「質の高い海洋保護区の推進に向けた検討会」を開催し、今回、最終報告書を公表した。
● 最終報告書では、現在進行する深刻な海の生物多様性の劣化を止め、回復軌道に乗せることによる「沿岸域の再生」を目指し、その実現に向け「質の高い海洋保護区」のあり方を提示。
●また、質の高い海洋保護区を広げるため、沿岸域の再生に向けて保全・回復の包括的な取り組みを行う地域を30か所作る目標を掲げ、国・地方自治体の取り組みや、現場の活動を支援するために必要な施策について提言を行った。
●最終報告書の公表にあわせて、10月14日(水)にオンラインセミナーを開催する。

公益財団法人日本自然保護協会(理事長:土屋 俊幸、以下「NACS-J」)とUMINEKOサステナビリティ研究所(代表:粂井 真、以下「USI」)は、2024年から2026年にかけて専門家による「質の高い海洋保護区の推進に向けた検討会」を開催し、日本の沿岸域が抱える課題と、海洋保護区・OECMのあり方について検討してきました。このたび、その議論を取りまとめた「質の高い海洋保護区の推進に向けた提言~海をめぐる社会生態学的危機及び自然資源を活用した沿岸域再生の将来像~」を公表します。

報告書詳細はこちら

また、最終報告書の公表にあわせて、10月14日(水)にオンラインセミナー「豊かな海と地域をともにつくる ― 漁業・自然・地域をつなぐ、沿岸域のこれから ―」を開催します。




最終報告書の主な内容
海の生物多様性は、食料の供給や産業の振興、気候調整、水質の浄化など、私たちの生活や経済・社会を支える基盤です。一方、自然海岸や干潟の減少、藻場の衰退、サンゴの白化、海洋生物の減少など、生物多様性の劣化が進んでいます。近年は海水温の上昇や海洋熱波の多発など、海洋環境の変化がその影響をさらに深刻化させています。

海の生物多様性の劣化は、生態系サービスの低下を通じて沿岸域の産業の衰退をもたらし、その結果、海の保全・回復活動の担い手不足や管理体制の弱体化によって、さらに生物多様性の劣化が進む「負のスパイラル」につながることが危惧されます。本報告書では、こうした状況を「社会生態学的危機」と捉え、その転換に向けて「沿岸域の再生」を目指す考え方を示しました。

また、その実現に向けた効果的な手法である海洋保護区・OECMについて、面積を増やすだけではなく、生物多様性の保全・回復の効果という「質」を高めることが重要であると指摘し、目指す姿として、次の5つの基準を示しています。
- 生態系や生物種の特徴・状態・課題を明確にし、重要な区域を特定して適切に保全・回復すること
- 保全・回復の目標を設定し、それに基づく管理計画を策定すること
- 幅広い関係者が参画すること
- 定期的なモニタリング調査を実施し、結果を公表すること
- モニタリング結果を踏まえた順応的管理を行うこと

さらに、質の高い海洋保護区・OECMを全国に広げるため、地域の生物多様性の保全・回復に向けた包括的な計画の策定・実施に取り組む地域を30ヶ所つくることを目標として示しました。その実現に向け、国と地方自治体の体制・取組、現場の保全・回復活動を支援する仕組み、継続的な取組を支える財源のあり方についても検討し、必要な施策を提言しています。

政策提言の主なポイント

- 海の生物多様性の保全・回復を国の重要政策に位置付ける
- 「海洋開発等重点戦略」の中に生物多様性の保全・回復を組み込む
- 海の生物多様性政策を推進する司令塔機能を強化する
- 生態学的・生物学的に重要な海域(EBSA)を更新する
- 質の高い海洋保護区・OECMを全国に拡大する
- 海の生物多様性の継続的な保全・回復の活動を支える財源を確保する

検討会委員
白山 義久 京都大学 名誉教授、国立研究開発法人海洋研究開発機構地球環境部門 アドバイザー
清野 聡子 九州大学大学院工学研究院 准教授
牧野 光琢 東京大学大気海洋研究所 教授、笹川平和財団海洋政策研究所長
宮原 正典 よろず水産相談室 afc.masa 代表
八木 信行 東京大学 特命教授
山北 剛久 国立研究開発法人海洋研究開発機構地球環境部門 主任研究員

関連のオンラインセミナー
豊かな海と地域をともにつくる ― 漁業・自然・地域をつなぐ、沿岸域のこれから ―

■日時 2026年10月14日(水)15:00~17:30
■参加費 無料

詳細・お申込はこちら

参考

公益財団法人 日本自然保護協会について
自然保護と生物多様性保全を目的に、1951年に創立された日本で最も歴史のある自然保護団体のひとつ。ダム計画が進められていた尾瀬の自然保護を皮切りに、屋久島や小笠原、白神山地などでも活動を続けて世界自然遺産登録への礎を築き、今でも日本全国で壊れそうな自然を守るための様々な活動を続けています。「自然のちからで、明日をひらく。」という活動メッセージを掲げ、人と自然がともに生き、赤ちゃんから高齢者までが美しく豊かな自然に囲まれ、笑顔で生活できる社会を目指して活動しているNGOです。山から海まで、日本全国で自然を調べ、守り、活かす活動を続けています。
http://www.nacsj.or.jp/

UMINEKOサステナビリティ研究所について
2021年に農林水産省出身者が設立。海をめぐる環境変化が著しく、生産現場の衰退も危惧されている中で、豊かな海の環境を残しながら漁業の再建を図ることを目指し、海のサステナビリティに関する研究と提言を行う研究所です。これまで、行政経験者、研究者、漁業関係者、市民団体など、多様な分野の専門家・関係者が参画する政策検討の場を構築し、科学的知見に基づく持続可能な水産資源管理に関する報告書及び政策提言を担ってきました。
https://www.umineko-usi.com/

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