半年で体重17キロ減、9カ月で40キロ減--。食欲を抑える効果から、糖尿病治療薬「マンジャロ」が世界的な減量ブームを巻き起こしている。韓国では、本来対象外の人への処方や海外からの持ち込みも横行。健康被害も報告される中、拡大するマンジャロ使用の実態を取材した。
「マンジャロは“魔法の薬”」
「マンジャロ」は糖尿病の薬として開発されたが、食欲を抑える効果があることなどから、ダイエット目的でも使用されている。
特に3人に1人が肥満とされるアメリカでは今、成人の11%が減量を目的に使っているという。

ニューヨーク市では。
女性:
友達はみんな使っているわ。仲間内で食事に行くと、肥満治療薬は“魔法の薬”みたいなものだから、みんな持っておくべきよね、って。

さらに、影響はこんな業界にも。
ウェディングドレス店の店員(女性):
私が担当した花嫁の1人で、9カ月で「40キロ減量」というのが最大。人ひとりのほぼ半分ですよ。

このドレスショップでは、大幅なサイズ変更があってもドレスをキャンセルできないことを契約書に明記するようになった。
韓国でも使用急増
「マンジャロ」の使用は日本でも増えているが、特に急増しているのが隣の韓国だ。
体重が70キロを超えていたというこの女性。

マンジャロを使う30代の韓国人女性:
17キロぐらい痩せましたから。半年で17キロで。運動もしないで。(デメリットは)体調不良が一番問題なんですけど。
韓国のマンジャロの処方件数は今年8月には40万件を超え、去年の同じ時期の22倍にまで急増。

韓国の20代女性:
痩せている友達がもっと痩せようとして使うことが多いです。
韓国ではマンジャロは糖尿病や肥満症の人が処方の対象。しかし、肥満ではないにも関わらず、ダイエット目的での使用が増加。体調不良を訴えたケースも増えていて、この1年弱の間で、1200件あまりに上っている。
ほとんど何も聞かれず処方…
本来、処方されないはずの人たちは、いったいどのように入手しているのか。“マンジャロの聖地”と呼ばれる場所があると聞き、取材に向かった。

記者:
韓国語のこの文字は「薬」を意味していまして、薬局の看板に多く使われています。私の後ろをみてみますと、その看板がずらりと並んでいるのがわかります。
いたるところに出ている、「薬局」の看板。多くの店でマンジャロが購入できるという。
いったい、いくつあるのか。
500メートルの間に乱立していた店舗。記者が数えると、34もの薬局があった。

果たして、マンジャロの処方は、簡単に受けられるのか。
取材班のスタッフが、“聖地”の中にあるクリニックに入ってみることに。

韓国でマンジャロの処方を受けるには肥満度を示す「BMI」が一定以上である必要があり、このスタッフは対象ではない。
ところが…、スタッフはマンジャロの処方箋を手に、戻ってきた。
スタッフが診察室に入って、出てくるまでにかかった時間は34秒。

スタッフ:
私、BMI的に全然対象じゃないので「聞かれたらどうしよう」って考えていたんですけれど、全く身長も体重も聞かれていなくて…。
診察でほとんど何も聞かれず、処方された。

こうした中、さらに安く手に入れようと、外国で購入する人が急増。韓国政府は2024年、マンジャロなどの無許可での持ち込みを禁止したが、今年8月までの不正持ち込みの摘発件数は去年1年間のおよそ4倍以上に増えている。

