いま、長引く咳や胸の痛みなどの症状が出る感染症「NTM症」が増加しています。
9月には厚生労働省が早期受診を呼びかける啓発を行いました。
NTM症はどのような病気なのか、専門家に話を聞きました。
NTM症。
非結核性抗酸菌症とよばれ、結核菌とは別の菌が肺に入ることで感染します。
NTM症を引き起こす菌はどこにいるのか、ウイルス学が専門の峰松俊夫医師に聞くと…
(愛泉会宮崎医療福祉センター 峰松俊夫医師)
「NTMはもともと環境中にいる細菌。よくいる所は水回りとか土壌とか埃とか自然環境にいる」
「咳やたんが続いて疲れやすくなってきて、普通の風邪の症状が出る方も多い」
結核とは違い、人から人へ感染することは無いとされています。
その上で峰松医師は、宮崎など九州の感染リスクについて…
(愛泉会宮崎医療福祉センター 峰松俊夫医師)
「(感染者は)九州多いです。NTM自体が土壌に住んでいるから気温や湿度、降水量、水の環境、土壌の性質、そこの原因が(菌の繁殖に)大きく絡んでいると思う」
日本結核・非結核性抗酸菌症学会によると、去年はNTM症をきっかけに国内で2400人が命を落としています。
これは20年前の約3倍です。宮崎市のクリニックの医師は患者の増加を肌で感じていました。
(かいクリニック呼吸器内科 飯干宏俊医師)
「患者さんから(NTM症について)の問い合わせはちょこちょこある。(感染者は)多いですね。咳とかたんが続くとか。検診で引っかかって分かることも多い。薬を飲む場合は3種類くらい抗生剤を使って治療することになる。15カ月から18カ月(薬を)飲む」
症状を自覚しながら長く放置してしまうと、関節リウマチなど様々な合併症を引き起こすこともあります。
医師が警鐘を鳴らすのは、その進行の遅さです。
(かいクリニック呼吸器内科 飯干宏俊医師)
「知らずのうちに数年かかって(菌が)広がっていくので(最初は)分からない。治療のタイミングが遅れると肺機能が落ちてしまう」
(愛泉会宮崎医療福祉センター 峰松俊夫医師)
「肺の広い範囲が障害されて呼吸不全になる。そうなると低酸素血症や大量の吐血が起こったりする。二次感染症を起こして入院や在宅酸素療法が必要になる」
NTM症は、過去に結核や気管支拡張症など呼吸器系の病気を患ったことのある人が感染しやすいとされています。
対策はあるのでしょうか。
(愛泉会宮崎医療福祉センター 峰松俊夫医師)
「完全に予防するのはほぼ無理。予防というよりも感染しやすい人をどうするか」「シャワーは水が溜まって少しヌメヌメしたものが付く。そこように結構菌がいる」「土をいじるときにはマスクをする」
体調の変化を放置しないことと菌のいる場所を把握することが、NTM症から身を守ることにつながります。
