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プレスリリース配信元:キャリアフィールド株式会社
10月1日公開の【自治体版】「保育士採用戦略2027」続報。公的データと自治体の事例から採用難の背景を考え、資格取得と正規採用につながる2つの方法を提案/キャリアフィールド株式会社

10月1日に公開した自治体版「保育士採用戦略2027」では、養成校からの新卒採用や潜在保育士の復職など、自治体の保育士確保策が抱える課題を整理し、地域で新たな保育士を育てる仕組みを提案。
今回はその続報として、「公立保育園の会計年度任用職員」に焦点を当てる。
なぜ会計年度任用職員の採用が上手くいかないのか。「保育士不足だから仕方がない」で済ませず、応募者の立場から原因を考え、2つの確保策を提案する。
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【無料・動画解説付き】自治体版「保育士採用戦略2027」養成校からの新卒採用や潜在保育士の復職に、どこまで期待できるのか。前回の【自治体版】「保育士採用戦略2027」では、地域全体の保育士確保策を考えるために、採用市場の変化と人材育成の方向を整理しています。レポートと解説動画を無料公開中です。

なぜ「会計年度任用職員」を採用できないのか。
民間保育施設に加え、公立園でも保育士の確保が課題となっているが、当社が自治体から受ける相談では、採用の難しさは地域や任用形態によって大きく異なる。正規職員は都心や市街地で比較的採用しやすい一方、山間部や過疎地域では年間を通して応募がない地域もあり、採用に苦戦している。そのうえで、地域をまたいで共通の課題となっているのが、会計年度任用職員の確保である。
こども家庭庁の資料によると、2024年の保育士従事者数は全国で約67.5万人。保育所のほか、幼保連携型認定こども園や児童養護施設などで働く人も含まれる。厚生労働省の同年の調査で「保育所」に対象を絞ると、保育士は全国で394,217人、公営116,253人、私営277,964人となり、このうち非常勤の割合は公営31.2%、私営25.8%である。[1]

※比較対象は「保育所」のみ。認定こども園や地域型保育事業所などは含まない。また、常勤・非常勤は勤務時間による区分であり、正規職員・会計年度任用職員の内訳ではない。
一方、任用形態に着目した総務省の調査では、会計年度任用職員として働く「保育士等」は全国で97,468人に上る(2025年4月1日時点)。公立保育所だけを対象とした人数ではないが、短時間・短期間の職員を除く集計でも、約10万人がこの任用形態で働いている。[1]
公立園も会計年度任用職員によって日々の保育を支えられており、その確保が難しくなれば、園の運営に影響が及ぶ。

※2025年4月1日時点。任用期間6か月以上、かつ週19時間25分以上勤務する職員が対象。出典:総務省「令和7年度 会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査結果」。
本レポートでは、「自治体には雇いたい理由があるが、働く人には選ぶ理由がない」という問題に着目し、公立園を「保育士資格を取って経験を積む場」「公務員の正規職員を目指す場」として位置付ける2つの確保策を提案する。
1.保育士には、ほかの働き先がある
2026年7月の保育士の有効求人倍率は2.80倍と、全職種の1.15倍を大きく上回り、前年同月の2.77倍からも上昇している。ハローワークの求人・求職に限った指標ではあるが、保育士の求人数に対して仕事を探す人が少なく、採用が厳しい状況にあることが分かる。[2]
こうした市場では、資格を持つ保育士は複数の求人を比較し、給与や通勤距離、勤務時間だけでなく、長く働き続けられるかも考えて就職先を選べる。民間園の正規職員として働く道に加え、保育以外の仕事も選択肢になる。
正規の公務員を目指す人も、長く働ける身分や将来のキャリアに期待しているため、正規採用に応募が集まる地域でも、同じ人が会計年度任用職員としての勤務を希望するとは限らない。ほかに任期の定めのない求人がある中で、あえて年度ごとの「会計年度任用職員」を選ぶ理由は何か。採用する側は、この問いに向き合う必要がある。
短時間勤務を希望する人にとっても、民間園のパート求人が比較対象になるため、勤務時間が短いというだけで会計年度任用職員を選ぶ決め手にはならない。
雇用形態による確保状況の違いは、自治体の資料にも表れている。小金井市が公表した2025年5月の答申によると、同年4月1日時点で正規の保育士はおおむね採用できている一方、育休代替任期付職員や会計年度任用職員には多くの欠員があり、現場で働く正規職員の負担につながっている。[3]
この事例だけで欠員の原因を断定することはできないが、保育士不足という共通の状況の中でも、雇用形態によって人材の確保状況が異なることは確認できる。「保育士不足だから仕方がない」で済ませず、会計年度任用職員として働くことが本人に何をもたらすのかを考え、募集時に示す必要がある。
2.公立園は、今の欠員だけを見て正規職員を増やせない
会計年度任用職員の確保が難しくても、不足する人数を正規職員で補うことは難しい。少子化による将来の保育需要の減少を見据えると、現在の欠員をそのまま正規職員の採用で埋めれば、今後必要となる職員数とのずれが生じるおそれがあるためである。
自治体は、退職者の見込みなどを踏まえて正規職員の採用人数を決めながら、当面の保育に必要な人員も確保しなければならない。正規職員の採用を抑え、会計年度任用職員に頼ることには、こうした背景がある。
しかし、自治体が年度ごとの任用職員を必要としていても、働き先を選べる保育士にとっては、その事情だけでこの仕事を選ぶ理由にはならない。長期の雇用を約束しにくい中で人材を確保するには、働く期間が本人の将来につながる道筋を用意する必要がある。
そこで、資格のない人には資格取得と実務経験を積む機会を、公務員の正規職員を目指す人には勤務経験が採用時に評価される機会を提供し、公立園をステップアップの場として選んでもらうことを提案する。
3.公立園を、ステップアップのために働く場にする
1. 資格のない人が、保育士になるために働く
一つ目は、保育士資格のない人を保育補助者として採用し、資格取得を支援したうえで、取得後3年間を目安に会計年度任用職員の保育士として働いてもらう方法である。子育て支援員や保育補助として働く人、学童保育から保育士へのキャリアチェンジを考えている人など、採用時に資格を求めると対象にならなかった人にも募集を広げる。
本人にとっては、収入を得ながら資格を取り、その後は保育士として実務経験を積めることが、この仕事を選ぶ理由になる。自治体にとっても、資格取得だけで支援を終えず、その後の勤務までを一つの採用・育成計画に組み込むことで、公立園の人員確保につなげられる。
採用時には受験資格を確認し、講座の受講支援や学習時間の確保などの支援内容と、資格取得後に担ってもらう役割を説明する。取得後3年間の勤務は、年度ごとの任用を前提に本人と自治体が共有する見通しとし、3年間の一括任用や勤務の義務付けを意味するものではないことも伝える。
3年間の勤務後は、本人の希望や自治体の人員配置に応じて、公立園での勤務継続や地域の民間園への就職につなげる。将来の園の統廃合や民間移管も見据えて進路を支えることで、公立園で資格と経験を得た人材が、引き続き地域の保育を担えるようにする。
資格取得には時間がかかるため、目の前の欠員をすぐに埋められるわけではない。取得までの費用や指導する職員の負担も見込んだうえで、資格取得後3年間の勤務を想定した採用・育成を毎年続けることが、翌年度以降に必要となる保育士を計画的に確保する方法となる。
2. 資格のある人が、公務員の正規職員を目指して働く
二つ目は、公立園の正規職員を目指す人に対し、会計年度任用職員としての勤務経験を正規採用で評価する方法である。一定の勤務経験による採用試験の一部免除や選考時の加点を設けることで、会計年度任用職員として働く期間を、正規採用に向けた準備として位置付ける。
募集時には、何年間の勤務でどの試験が免除されるのか、どのような実務経験や勤務実績が加点の対象になるのかを明確にし、現場で働きながら採用試験に取り組めるよう支援する。特に、公務員を目指す新卒者に対して、会計年度任用職員として経験を積み、正規採用を目指す道も就職先の選択肢として示すことが考えられる。
実際に、守山市の2026年度の募集案内には、保育士資格を持って保育園等で勤務する区分Cの学級担任を対象に、3年以上の勤務による正規職員採用試験の一部免除制度が記載されており、勤務経験を正規採用につなげる仕組みの一例となっている。[4]
この方法を取り入れられるのは、退職補充などで今後も正規採用を予定している自治体である。正規職員の総数を増やすこととは分けて考え、退職によって生じる採用枠に合わせて、会計年度任用職員として経験を積む機会を設ける。
一定期間働けば必ず正規職員になれる制度ではなく、勤務経験を採用試験・選考の中で評価する仕組みであることは、募集時から明確にする必要がある。実際の採用計画に沿って、経験を評価する条件と採用までの手続きを示してこそ、応募者が将来を考える際の判断材料になる。
4.公立園の人員配置と、働く人の目標を両立させる
公立園の会計年度任用職員の採用難を考えるには、少子化を見据えて人員を配置する自治体の事情と、複数の働き先から仕事を選ぶ人の希望の両方を捉える必要がある。年度ごとの任用を前提とする中でも、その期間に資格や経験を得られ、次の仕事につながるのであれば、働く人にとってこの仕事を選ぶ目的が生まれる。
資格のない人には、資格取得を支援し、その後3年間を目安に保育士として働く道を、公務員の正規職員を目指す人には、会計年度任用職員としての経験が採用時に評価される道を示す。自治体は、将来の人員配置や正規職員の退職見込みに合わせて、それぞれの対象人数と実施時期を検討する。
成果を確かめる際も、応募者数や採用人数だけでなく、資格取得者数、取得後の公立園での勤務状況、地域の民間園への就職や正規採用への移行状況まで確認する。公立園で働く期間を本人の次の一歩につなげながら、地域の保育を担う人材を計画的に確保していくことを提案する。
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お問い合わせ
都築裕一|キャリアフィールド株式会社 代表取締役
保育業界の採用支援に20年以上携わる。自治体や地域の保育事業者と連携し、働きながら保育士を目指す資格取得支援などを進めている。
本社:東京都渋谷区渋谷3-6-6 渋谷パークビル7F
電話:03-5468-8333
HP:https://www.career-f.com/
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