簗和生農林水産大臣が、ことし5月、衆院選で自身を支持しなかった首長がいる自治体に対する国の道路予算を「大幅にカットした」と発言した問題。
8日の国会でも簗大臣は「国土交通省への問い合わせについては、那須烏山市と那珂川町の道路予算の配分額を問い合わせたものです。問い合わせにあたり、減額を求めた事実はありません」と釈明しました。
国土交通省も6日の会見で、当時の担当者が「細かいメモがないため、はっきりと覚えていない」と述べ、「圧力を受けた認識はない」としています
しかし関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」で、元NHK政治部記者の政治ジャーナリスト岩田明子氏はこれについて、「役人がメモに残すのは常識的。もっと調査したら出てくる可能性がないことはない」と説明。
「曖昧な対応を続けるほど、この問題がフォーカスされ、消費税減税など重要法案に審議時間が割けない」と指摘しました。
■「国民の疑念を払拭するためにも全府省調査を行うべき」国民・玉木代表
玉木代表は8日の代表質問で、簗大臣が道路予算の減額を自らの成果のように語ったとされる発言について追及しました。
【国民民主党・玉木代表】「なぜ予算をカットしたと自分の手柄のように語ったのか。減額を問い合わせた事実はありますか。正直に答えてください」
【簗農水大臣】「那須烏山市と那珂川町の道路予算については、地元からの問い合わせがあったことを踏まえ、国土交通省に問い合わせを行ったものです。回答のあった道路予算の配分額については、私が影響を及ぼしたかのような発言をしました」
さらに高市総理に対して、「国民の疑念を払拭するためにも全府省調査を行うべきではないか」と質問しました。
高市総理は、「予算の配分にあたって政治的な支持・不支持を持ち込まない。これは当然のこと。全府省調査を行わずとも、改めて適切な予算の配分を徹底させる」とし、簗大臣には「しっかりと説明をした上で、襟を正して職責を全うしてほしい」と述べました。
■簗大臣の問い合わせは、予算配分にどれほど影響与えたのか
当時、官房副長官だった簗大臣の問い合わせが、道路予算という「国土交通省」の管轄の予算配分にどれほどの影響を与え得たのでしょうか。
岩田氏は、予算配分などに影響を及ぼすとされる、特定の分野や政策に強い「族議員」について解説しました。
【岩田明子氏】「昔で言う『族議員』ですね。そこの重鎮であるとか、将来総理大臣に確実になりそうな非常に注目されている、影響力のある人の一声であれば、また話は違う。
そうではない場合と言ったら、役所が聞き流すケースもありますので、これは誰が言ったかというところで、また違いが出てくる」
その上で岩田氏は、「簗大臣が農水の専門家であったとしても、永田町においては(道路などの)“国交(省)マターの人”という認識はなかった」と述べました。
また、当時の国土交通副大臣は簗大臣と同じ派閥だったことについては、「これがどこまで働いたかは、詳しく調査をしてみないとわからないところはまだある」と慎重な見方を示しました。
■やりとりのメモを残すことは「常識的」
一方、国土交通省は6日の会見で、当時の担当者が「細かいメモがないため、はっきりと覚えていない」と述べ、圧力を受けた認識はないとしています。
この点について岩田氏は、通常の対応として、やりとりのメモを残すことは「常識的」だと述べ、「メモがないということ」について懐疑的な見方を示しました。
【岩田明子氏】「たいていメモとして残しているのが実情です。役人の心理としては、全部記録に残しておくぐらいの構えで、メモぐらいは残すのが常識的と見た方がいいと思います。
『細かいメモがないため』と言っていますが、もっと調査した場合は、何らかのメモが出てくる可能性はないことはないと思いますね」
■「『どこまで持ちこたえられるのかな』とみている人が割と多い」
その上で岩田氏は、「曖昧な対応を続けるほどこの問題がフォーカスされ、消費税や議員定数削減といった重要法案の審議時間が削られる。早く詳細な経緯を明らかにして、いろんなことを明確にした方がいい」と述べました。
【岩田明子氏】「簗さんは高市さんの精神的支柱というか、思想的な所を強くバックアップしてきた。高市さんはありがたいと思ってるし、同じ思想を掲げている議員の人達も『同志』だという気持ちではいます。
ただ、この発言の内容と発言のタイミングと経緯を見ると、予算委員会を乗り切れると見ている人はあまり多くない。『どこまで持ちこたえられるのかな』とみている人が割と多いですね」
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2026年10月8日放送)
