去年、記録的な不漁で生鮮カツオ水揚げ量日本一が28年で途切れた気仙沼港。今年は春先から豊漁が続き、日本一の奪還が確実となっています。価格も去年より安く、脂が乗った戻りガツオはいま旬を迎えています。
記者リポート
「こちらの鮮魚店では、気仙沼港で水揚げされたカツオが置かれています。記録的な不漁だった去年と比べて、1割から2割ほど安く売られているということです」
10月5日、宮城県気仙沼市内の鮮魚店に並んでいたのは、朝、水揚げされたばかりの新鮮な戻りガツオ。
栃木から
「カツオのたたきを買いました。ニュースでいっぱい取れているというのを見て来た。お寿司も食べて帰りにたたきを買って帰る」
今年は豊漁を受けて、価格も安定傾向にあり、1匹あたりの価格は3000円と、去年と比べて500円ほど安く販売されていました。
阿部長商店 海の市店 小野寺優心さん
「去年は1匹で3500円から4000円の時もありましたし、やっぱり漁も関係していると思うが、今年はかなり脂の乗った質の良いカツオが毎日のように水揚げされていますので、ぜひ楽しんで来ていただいて召し上がってほしい」
生鮮カツオの水揚げ量日本一を誇っていたカツオのまち・気仙沼。
しかし、去年は前年の1割ほどの「4372トン」という記録的な不漁となり、28年連続で守ってきた「日本一の座」を千葉の勝浦に譲り渡す結果に…。
しかし、今年は不漁から一転、9月末時点の水揚げ量は、およそ2万8000トンと、すでに2位の勝浦を4倍以上引き離す豊漁が続いています。
(一社)漁業情報サービスセンター 水野紫津葉さん
「今年はこのまま気仙沼が日本一でいくと思います。ほぼ確実だと思います」
なぜ今年は豊漁なのか…カツオの生態に詳しい漁業情報サービスセンター水野紫津葉さんは、「黒潮大蛇行の収束」が関係していると考えています。
(一社)漁業情報サービスセンター 水野紫津葉さん
「近年、黒潮の大蛇行の影響があったが、今年はそれが解消しつつあるということで、冷水が北の方から降りてきているということもあって、潮境の所に餌が多かったりとか、海洋環境が回復してきていると思う」
日本列島の太平洋側では南の暖かい海域から房総半島沖に流れる形で「黒潮」と呼ばれる海流が流れています。
去年4月までのおよそ8年間、「黒潮大蛇行」と呼ばれる現象が発生し、その流れの一部が三陸沖に達していました。
一般的に暖かい海流はプランクトンなどの餌が少なく、逆に北の冷たい海域には餌が豊富とされています。
去年は餌を豊富に含む冷たい海流が三陸沖に流れ込まず、北上するカツオが減少。
しかし、今年は「黒潮大蛇行」が収束した影響で、餌が豊富な北の海域から三陸沖に海流が流れ込み、カツオの来遊量が増えたことが豊漁につながっていると考えられるということです。
カツオを扱う気仙沼市内の飲食店からも喜びの声が聞かれました。
和醸酒一杯屋梟 小野寺洋店主
「カツオ船の方々の努力でやっと日本一という形で、去年は本当に悔しい思いをしたがありがたい」
今の時季、脂が乗った戻りガツオを実際にさばいてもらうと…。
和醸酒一杯屋梟 小野寺洋店主
「戻りガツオの特徴だね、本当にここ、ぐわ~って白くなってるでしょ。これが脂が乗っている証拠」
こちらの店ではわら焼きで提供。あぶり始めるとすぐに、脂がしたたります。
店主の小野寺さんのおすすめの食べ方は「にんにくと塩」。
記者リポート
「いただきます…おいしいですね!もっちりしていて戻りガツオ特有のあまみ、脂乗りが感じられてすごくおいしいです」
和醸酒一杯屋梟 小野寺洋店主
「カツオのうま味や香りを味わうのにはベストかと思って提供しています」
そのほか、からし醤油や、かんきつ系と合わせるのもおすすめとのこと。
和醸酒一杯屋梟 小野寺洋店主
「カツオがいっぱい揚がる、日本一に返り咲くというのは、氷屋さん、箱屋さん、運送業者、カツオを箱詰めする方々、経済的に回るのは本当にありがたい。絶対おいしいので、今の時季はどこのお店でもカツオは絶対に自信あると思うので、ぜひ気仙沼に来ていただいてカツオを食べてもらいたいのが本音です」
