皮膚に強い痛みや発疹が現れる「帯状疱疹」。80歳までに約3人に1人が発症すると言われる身近な病気だ。発症すると顔面神経まひや長期間の神経痛など深刻な後遺症を残すこともある。患者が増加傾向にある中、国による定期接種のほか、宮崎市では2026年8月から独自のワクチン助成制度をスタートさせた。ワクチンの種類や特徴など、清山市長と詳しく見ていく。
顔面神経まひや長引く神経痛のリスク
帯状疱疹は、皮膚に強い痛みや発疹が現れる病気だ。発症のピークは70代とされ、80歳までに約3人に1人が発症すると言われている。

幼少期にかかった水ぼうそうのウイルスが体内の神経の周囲に潜伏し、加齢や疲労、免疫力の低下などをきっかけに再び活動を始めることが主な原因だ。
帯状疱疹はおなかや足に発症するケースが一般的だが、水疱ができる場所によってはつらい後遺症が残るケースもあるという。

名越敏郎院長:
帯状疱疹が目の近くや耳にできると、視力の低下や難聴、場合によっては顔面神経麻痺を伴うことがある。それは非常に厄介で、非常に辛い。
さらに、発疹が消えた後も痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」を発症した場合は、痛みが数カ月にわたって続き、日常生活に大きな支障をきたすこともあるという。
実際に発症した男性に話を聞いた。

8月に発症した男性:
朝4時ぐらいに右の脇腹が痛くて目が覚めた。最初は盲腸かなと思ったけど、中の痛みじゃなくて皮膚が痛くてジクジクするような感じで、再度寝ようと思ったけど眠れないぐらいの痛みで、結局そのまま朝まで起きていた。起きるとなんとなく忘れられるけど、夜に寝たらやっぱり痛みで目が覚めて、洗面所に行って鏡を見たらおなかの片側が腫れていた。病院に行ったら「帯状疱疹」と。3、4日目ぐらいまでは痛みが徐々に強くなっていって、それから良くなるかなと思って様子を見ていたけど、やっぱり痛みが落ち着かない。今でも少し腫れている。

8月に発症した男性:
(Q.どのように痛い?)患部全体がジワ~っと痛い。神経を突かれているような感じ。しばらくして痛みが落ち着いた後も、突然「痛っ」というような感じの神経を触られているような痛みはある。こんなにきついと思わなかった。
男性は発症から約1カ月が経過した現在も痛みが残っているという。
名越院長は近年、患者は増加傾向にあり、初期段階で抗ウイルス薬の服用や点滴を行う早期治療が後遺症の予防に有効であるため「とにかく早期治療ということが大事」と速やかな受診を強く呼びかけている。
宮崎市が独自の助成制度を導入
こうした中、国は2025年4月から原則65歳以上の高齢者を対象に5歳刻みでの定期接種を始めた。しかし、対象年齢の間に位置する市民は助成を受けるまでに待機する必要がある。この課題に対応するため、宮崎市は2026年8月から「帯状疱疹ワクチン早期接種促進事業」を開始した。
医師でもある宮崎市の清山知憲市長は、独自制度について次のように話す。

宮崎市 清山知憲市長:
国の定期接種では65歳に始まり、5歳刻みに令和11年度までの経過措置として補助を受けてワクチンを接種することができます。一方、この隙間にいらっしゃる皆さんは、その年齢になるまで待たなければいけないので、宮崎市は2026年度について66歳から69歳、71歳から74歳といった方々を対象に補助を受けてワクチンを接種するような制度を設けています。

宮崎市では2026年度、65歳から75歳までのすべての世代が補助を受けてワクチンを接種できる「早期接種」の環境が整った。発症のピークを迎える前に、多くの方が接種機会を得られる取り組みだ。
2種類のワクチンの特徴と費用
帯状疱疹のワクチンには「生ワクチン」と「組み換えワクチン」の2種類が存在する。助成制度を利用することで、自己負担額は約3分の1に軽減される。

「生ワクチン」は通常8000円の費用が2600円となり、1回の接種で完了する。予防効果は5年後に約4割となる。一方、「組み換えワクチン」は通常約5万円かかる費用が1万3200円に抑えられる。接種は2回必要で、局所の疼痛やだるさなどの副反応が出やすい側面があるが、5年後も約9割という高い予防効果が維持される。
清山知憲市長はワクチンの選択について、次のように見解を示している。
宮崎市 清山知憲市長:
一生涯でおよそ1度打つワクチンですから、できれば「組み換えワクチン」で高い持続効果を期待した方が良いのではないかなと思っています。帯状疱疹は一度かかると免疫が再活性化されて、しばらくはかかりにくいと言われています。しかし、5年から10年ぐらい経ってくると、またワクチンを打つメリットがあるんじゃないかと言われています。ここはしっかり明確な期間が決まっているわけではございませんから、ぜひかかりつけの先生にご相談いただけると幸いです。
「早期接種」の対象となる人には宮崎市から接種券が送付されている。助成制度を利用する際は事前予約が必要で、接種を実施している医療機関は宮崎市のホームページに一覧が掲載されている。
(宮崎市・健康支援課 電話0985-29-5286)

宮崎市 清山知憲市長:
帯状疱疹はワクチンで効果的に予防できる病気です。宮崎市外の皆さんは、国の制度によって65歳から5歳刻みで補助を受けて接種の機会を検討していただきたいと思います。宮崎市内の皆さんについては、2026年度限定で65歳から75歳までの全ての年代の方が補助を受けて接種をすることができます。「組み換えワクチン」は2回、2カ月おきに打たなければいけないので忘れてしまいがちですし、ぜひ年内に1回目の接種をご検討いただければ幸いです。
帯状疱疹は決して珍しい病気ではなく、誰しも免疫力の低下などによって発症するリスクを抱えている。「いつか打とう」と後回しにせず、まずはかかりつけ医に相談を。
(テレビ宮崎)
